<センバツ21世紀枠9地区候補校発表>◇12日日本高野連は12日、来春の第98回選抜野球大会(26年3月19日開幕、甲子…
<センバツ21世紀枠9地区候補校発表>◇12日
日本高野連は12日、来春の第98回選抜野球大会(26年3月19日開幕、甲子園)の21世紀枠の地区候補9校を発表した。関東・東京地区からは上尾(埼玉)を選出。70年代から80年代にかけて埼玉の高校野球をリードし、春夏通算7度の甲子園出場を誇る伝統校。同校最後の出場となった84年夏のメンバー高野和樹監督(58)に率られ、42年ぶりの甲子園切符なるか。21世紀枠は来年1月30日の選考委員会で9校のうち2校を選ぶ。
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84年夏を最後に甲子園出場から遠ざかっている上尾に、チャンスが巡ってきた。21世紀枠の関東・東京地区候補選出は、88回大会以来10年ぶり。高野監督は「身の引き締まる思い」と力を込めた。この日は2年生が沖縄修学旅行、1年生が校外学習で喜びを分かち合うことはできなかったが、晴れて選ばれた日まで取っておく。「より一層明日からの練習に気持ちを込めて取り組んでいきたい」と気持ちを新たにした。
春夏通じて甲子園7度の出場を誇る伝統校は近年も、私学勢に対抗できる力を持つと警戒されてきた。超高校級のような選手はいなくてもチーム一丸をモットーに、公立校らしく愚直に、泥くさく攻守両面で粘り強く戦う。今秋の県大会準決勝では浦和学院に3-4と競り負けたが、公立唯一の4強入り。甲子園常連校にも引けを取らない埼玉を代表する「公立の雄」だ。
期待は高まるばかりだ。高野監督自身は、同校最後の甲子園出場の84年夏のメンバー。グラウンドに立った時の興奮は今も焼き付いている。「あの時に感じた甲子園の素晴らしさが忘れられず、指導者になりました。何が何でももう1度甲子園に行きたい」。後輩でもある部員たち共に、吉報を待つ。【平山連】
◆選出なしは11府県 全国47都道府県のうち、これまで21世紀枠に選ばれていないのは11府県(群馬、埼玉、長野、三重、京都、大阪、奈良、岡山、広島、鳥取、福岡)。今回は埼玉、三重、奈良が地区候補9校に残ったが、県勢初選出となるか。上尾は16年に続き2度目の地区候補9校入りとなった。