【オーランド(米フロリダ州)11日(日本時間12日)=四竈衛】ストーブリーグ最大のイベント、ウインターミーティング(WM…
【オーランド(米フロリダ州)11日(日本時間12日)=四竈衛】ストーブリーグ最大のイベント、ウインターミーティング(WM)が終了した。FA市場が動き始めた中、ポスティングでの移籍を目指す西武今井達也投手(27)の争奪戦に、ヤンキースが本格参戦することが確実となった。
WM期間中、沈黙を保っていたヤ軍は、水面下で着々と準備を進めていた。FAとなった強打ベリンジャーの残留交渉と並行する形で、ともにスコット・ボラス氏を代理人とする今井へのアプローチも繰り返していた。11年以来、世界一から遠ざかっているヤ軍にとって、これ以上、ワールドシリーズ連覇中のドジャースに後れを取るわけにはいかない。過去、大谷翔平、山本由伸、佐々木朗希と、狙っていた優秀な日本人選手がド軍入り。「盟主」の威信をかけても、今井争奪戦に臨むことになった。
ヤ軍が見据えるのは、目先の戦いだけではない。昨季19勝のフリード、18勝のロドンと、ベテランの両左腕を軸とする一方、先発陣全体として不安定要素も少なくない。右肘手術から復帰予定の剛腕コールだけでなく、新人シュリッター、シュミット、ヒルら若手が、いずれもシーズンを通して先発ローテーションを守り切れるかは不透明。中長期的にも、35歳コールに次ぐ次世代のエース候補を必要とするタイミングでもあり、今井獲得に本腰を入れる方針を固めた。
すでに複数のスカウト陣が今井を視察済み。編成担当者らは「メジャーでもトップクラスの先発」と口をそろえており、評価は「特A」クラスにランクする。7年前後の大型契約が見込まれる今井に対しては、フィリーズ、メッツ、カブスなども強い興味を示しており、週明けにも各球団との対面交渉がスタートする流れとなった。同会場を後にしたボラス氏は、一般論として「期限が近づくにつれ、(条件などが)明確になっていく」と交渉過程を説明。今後は、ヤ軍の本気度が、今井争奪戦の行方を左右することになりそうだ。