<センバツ21世紀枠9地区候補校発表>◇12日来春の第98回選抜野球大会(26年3月19日開幕、甲子園)の各地区の21世…
<センバツ21世紀枠9地区候補校発表>◇12日
来春の第98回選抜野球大会(26年3月19日開幕、甲子園)の各地区の21世紀枠候補9校が発表された。来年1月30日の選考委員会で出場32校が決定し、3月6日に組み合わせ抽選会が開かれる。
関東地区からは上尾(埼玉)が選ばれた。校訓の「文武不岐」「自主自律」のもと学習・部活動の2本柱に意欲的に取り組んでおり、学習面では国立大をはじめとした難関大への進学の実現や合格率50%の資格試験に90%以上の合格者を出すなど結果を出している。野球部は昭和の時代に夏4回、春3回計7回の甲子園出場を果たしているが、84年夏を最後に42年間、甲子園から遠ざかっている。しかし、私立全盛を迎えた平成の時代以降も公立の雄として埼玉の高校野球をリードし、150校を超える県内各大会において常に上位進出。県内113校の公立高にとって、同校の存在は希望の光となっていることなどで推薦を受けた。
チームを率いる高野和樹監督(58)は、高校野球の原点でもある「全力疾走」や「一球の大切さ」にこだわって日々指導に当たり、今の時代に失われつつあるこれぞ高校野球という緻密で泥くさい野球を実践してきた。学習に対する取り組みは当然のこと「誇りと責任」をチームの合言葉とし、野球部員であることの「誇り」を忘れず、今の自分たちの役割を「責任」をもって果たすことが徹底されている。
この日は2年生が修学旅行、1年生が校外学習に出ており部員不在となったが、高野監督は「身の引き締まる思いです。より一層明日からの練習に気持ちを込めて取り組んでいきたいと思います」と力を込めた。同校が最後に甲子園に出た84年夏は自身が2年生としてメンバー入りを果たし、捕手として途中出場も経験した。あの時感じた胸の高鳴りや興奮は今も昨日のことのように色鮮やかだ。
「その時に感じた甲子園の素晴らしさが忘れられず、指導者になりました。何が何でももう1度甲子園に行きたいという思いで今も頑張っています。やるべきことをやって、甲子園の土を再び後輩たちとともに踏めればありがたいです」。後輩でもある部員たちと再び甲子園の舞台へ。来年1月末に吉報が届くのを待つ。
◆選出なしは11府県 全国47都道府県のうち、これまで21世紀枠に選ばれていないのは11府県(群馬、埼玉、長野、三重、京都、大阪、奈良、岡山、広島、鳥取、福岡)。今回は埼玉、三重、奈良が地区候補9校に残ったが、県勢初選出となるか。上尾は16年に続き2度目の地区候補9校入りとなった。