◆プロボクシング ▽WBA世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 正規王者・堤聖也―暫定王者・ノニト・…

◆プロボクシング ▽WBA世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 正規王者・堤聖也―暫定王者・ノニト・ドネア▽WBA・WBO世界ライトフライ級(48・9キロ以下)王座統一戦12回戦 WBA王者・高見亨介―WBO王者・レネ・サンティアゴ▽WBO世界フライ級(50・8キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者アンソニー・オラスクアガ―同級4位・桑原拓(12月17日、東京・両国国技館)

 世界5階級を制覇したWBA世界バンタム級暫定王者ノニト・ドネア(43)=フィリピン=が12日、東京・新宿区の帝拳ジムで練習を公開。同級正規王者の堤聖也(29)=角海老宝石=との団体内王座統一戦に向け、「これまで日本だけでなく、世界中で見せてきた自分の勇敢さを発揮できれば勝利につながると思う」と自信を口にした。

 ドネアは笑顔を浮かべながら入念に準備運動を行った後、マネジャー兼チーフトレーナーのレイチェル夫人を相手にミット打ちを1ラウンド披露。代名詞の左フックを夫人のミットにたたき込んだ。その後、ドク・ジェイ・トレーナーを相手にミット打ちを行ったが、グラブと拳がすれて違和感を覚えたため中断。そのまま公開練習を終了した。

 公開練習前にレイチェル夫人と並んで会見に臨んだドネアは「全てやってくれている妻のおかげで、コンディションは最高。レベチだ」と絶好調をアピール。「妻でもあるんで、ノーとはなかなか言えない夫としての立場もあり、ちゃんと言うことを聞いてます」とジョークもさえていた。

 堤との試合を「自分にとってとてもモチベーションの高い試合」と語り、勝負のポイントを「自分自身の経験が何よりも勝っていると思う。自分の勇気、勇敢さというところもだ」と挙げた。

 ドネアは井上尚弥(大橋)とバンタム級王座統一戦で2度対戦。19年11月にさいたまスーパーアリーナで0―3の判定負け、22年6月にも同会場で2回TKO負けを喫しており、10日の来日時は「不死鳥」をテーマにした服装で「日本での自分の歴史を書き換えるために来た」と話していた。この日は井上戦の2連敗について「負けたということは学びでしかなかった。そういった経験からしか得られないものがあり、闇の中でしか見られない光というものがある」とし、「このようにケガがなければ時間や年齢の制限なく、永遠にボクシングができるということも分かった。今は制限から解き放たれて恐れもなく素晴らしいファイターになっていると思う」と健在をアピールした。

 レイチェル夫人も「彼のキャリアはジェットコースターのように激しいもの。もう年をとっていると言われながらいつも復活して来た。井上選手に負けはしたが、ベルトを取り直してまた挑戦するという物語も伝えられた。また今回もこうやって戻ってきた。私たちにとっては、また物語の一部になると思っている」と自信を示した。

 43歳になったレジェンドが、「不死鳥」物語に新たな1ページを刻む。

 戦績は堤が12勝(8KO)3分け、ドネアが43勝(28KO)8敗。