Jリーグの海外指導者招へいプロジェクトによる、U―16・Jリーグ選抜の国内合宿プログラム(8日から実施)最終日の紅白戦…

 Jリーグの海外指導者招へいプロジェクトによる、U―16・Jリーグ選抜の国内合宿プログラム(8日から実施)最終日の紅白戦が12日、千葉市内で行われた。今合宿を指導したJリーグ・グローバルフットボールアドバイザーのロジャー・シュミット氏(58)が取材に応じた。

 ドイツ出身で、レバークーゼン、PSV、ベンフィカなどで監督歴のある世界的名将のシュミット氏。5日間の活動を、この日の紅白戦で終えた。育成年代をみるのは初めてというが「違ったスタイルのサッカー、別の情報が日本に入っていくことで、一つの刺激になればいい。この1週間を使い、高強度の練習を組み立て、しっかりと成し遂げた。これを多くの日本のコーチたちにシェアすることも大きな目的。大事なことは、今回来てくれた(U―16の)選手たちのために働くこと。彼らは本当によくやってくれた」と前向きに語った。

 同氏が欧州のトップチームで実際に指導したメニューを行ったと明かし、「選手たちの取り組みに対するやる気にびっくりした。彼らの質の高さに驚かされた」と目を細めた。現代サッカーで重要な攻守の切り替え(トランジション)についても言及し「失った後、素早くボールを奪い返す。それが高い位置だと、(直接)ゴールに結びつく。切り替えの後に、どれだけ判断が早いかによって、たくさんチャンスがつくれる」と説明した。

 Jクラブの各ユース選手たちのプレーについては「まず今回練習を通して、守備、攻撃の切り替えなど、いろいろな場面をつくってきた。練習は常に激しく、たくさんのプレッシャーがかかる中、解決方法を見つけるのは難しかったと思う。ただ、彼らは教えたことをすぐに表現する、トライすることが、モチベーションも含めてとても良かったと思う」とたたえた。

 同氏は10月にJリーグが招へいすると、試合の視察や、指導者向けに自身の知見を積極的に還元するなど、日本サッカーの競争力向上に努める。「岡山の佐藤(龍之介)選手のような、若い(才能のある)選手たちがいたり、まだまだたくさんいることを考えると、非常に楽しみ。本当に日本には将来があると思っている」と明るい見通しを述べた。