「ボクシング・WBA世界バンタム級タイトルマッチ」(17日、両国国技館) WBA世界バンタム級王者の堤聖也(29)=角海…

「ボクシング・WBA世界バンタム級タイトルマッチ」(17日、両国国技館)

 WBA世界バンタム級王者の堤聖也(29)=角海老宝石=と団体内統一戦を行う同級暫定王者ノニト・ドネア(43)が12日、都内で練習を公開した。

 ドネアは「メイントレーナーであり、自分のストレングス、コンディショニングなども全てやってくれているレイチェルさんのおかげもありまして、コンディションは最高、もう“レベチ”です」と、妻でマネジャーでもあるレイチェル夫人を隣に笑顔で万全をアピールした。

 堤戦に向けては「経験が何よりも勝っているとは思う。勇敢さは堤にもあるものだと思うが、世界中で見せてきた自分の勇敢さをいかんなく出していく。そこがしっかりとできれば、勝利になる」と意気込んだ。

 バンタム級に階級を上げた井岡一翔(志成)は、大みそかにWBA王座への挑戦者決定戦に臨むが、報道陣の質問に対し、今戦は堤有利の予想を口にしている。これに対しドネアは「言いたい人には言わせておけばいいと思いますし、自分が誰であるかを知ってるのは、この己自身です」と、意に介さなかった。

 一方、同階級のWBC王者である井上拓真(大橋)については「やりたいですね」と即答。「拓真選手と統一戦の形でできるようになればいい」と対戦意欲を隠さなかった。「ただ、今は目の前の試合が何よりも大事。そこに集中したい」と堤戦に気を引き締めた。

 元世界5階級制覇王者は、今年6月に約2年ぶりの再起戦に臨み、WBA世界同級暫定王座を獲得した。「前回は準備に3週間しかなかったが、今回はフルでトレーニングキャンプをできた。セブ島、オメガボクシングジムでドク・ジェイと共に練習をしていましたし、ラスベガスでも練習をしていました」と手応えを口にした。

 日本での試合は4度目だが、19年11月、22年6月はいずれも井上尚弥(大橋)に敗れている。レイチェル夫人は「ドネアのキャリアはジェットコースターのように激しい。いつも年を取っているとか、もう無理とか言われながら復活してきた。井上尚弥選手に負けはしたけれども、最高の試合だったと思う。ベルトを取り直して、また井上尚弥選手に挑戦する。そういったところも含めて、私たちはたくさんの物語として伝えられるようなことがたくさんある。今回の挑戦も私たちのストーリーの一部になる」と語った。

 公開練習では軽快なシャドー、左フックとボディーが印象的なミット打ちを披露したドネア。ミット打ち中にグローブが損壊し、途中で打ち切りを余儀なくされたが、笑顔で“吉兆”をアピールしていた。