プロボクシング世界5階級制覇王者でWBA世界バンタム級暫定王者のノニト・ドネア(43=フィリピン)が12日、都内のジムで…
プロボクシング世界5階級制覇王者でWBA世界バンタム級暫定王者のノニト・ドネア(43=フィリピン)が12日、都内のジムで練習を公開した。17日に東京・両国国技館で正規王者の堤聖也(29=角海老宝石)との団体内王座統一戦を控え、シャドーボクシング、ミット打ちなどを披露。チーフトレーナーとなるレイチェル夫人、ドク・ジェイトレーナーのミットに的確なパンチを打ち込んだ。堤を下した後の世界王者ロードについても言及した。
ドネアは過去に米メディアに対し、1階級上となる4団体統一スーパーバンタム級王者井上尚弥(32=大橋)との3度目対決、WBA、WBC、WBO世界同級1位の中谷潤人(27=M・T)との対決を希望していた。2人との対決希望を問われ、ドネアは「やってみたいね」と笑顔。さらに現実的には、WBC世界バンタム級王者となった井上拓真(29=大橋)にも強い興味を示した、
ドネアは「拓真選手がWBA王者だった時に1度試合をしたいと思ったが、実現はしなかった。拓真選手と王座統一戦をやりたいよね」と声をはずませた。兄尚弥とは19年11月、22年6月と2度対戦して2連敗を喫しているだけに、まず弟に照準を合わせた。しかし隣にいるチーフトレーナーのレイチェル夫人は「17日のWBAの王座統一戦が大事から集中しないといけない」とクギを刺された。
6月の暫定王座決定戦は約3週間前に試合が決まるドタバタ劇でコンディションを整える時間が足りなかったという。今回はフィリピンのセブ島で1カ月間のトレーニングキャンプを敢行。ドネアは「コンディションは『レベチ』(レベルが違う)だ。自分は強さにあふれるファイターなので、それを欠かすことなくみせたい。私は(堤より)経験が何より勝っている。勇敢さもだ。それは堤選手にもあるだろうが、これまで自分が世界で見せてきた勇敢さをいかんなくだし、それが生きることができれば勝てる」と言い切っていた。【藤中栄二】