プロボクシング世界5階級制覇王者でWBA世界バンタム級暫定王者のノニト・ドネア(43=フィリピン)が12日、東京・帝拳ジ…

プロボクシング世界5階級制覇王者でWBA世界バンタム級暫定王者のノニト・ドネア(43=フィリピン)が12日、東京・帝拳ジムでの公開練習でチーフトレーナーを務めるレイチェル夫人とのミット打ちを初披露した。17日に東京・両国国技館で正規王者の堤聖也(29=角海老宝石)との団体内王座統一戦を行う。

シャドーボクシングを終えた後、ドネアはレイチェル夫人が構えるミットに、強烈な左フックをはじめ切れのあるパンチを次々と打ち込んだ。チーフトレーナーとはいえ、世界戦を控えた公開練習で女性がミットを受けるのは異例だった。

母国セブ島での1カ月間の最終調整では栄養面、トレーニング、戦略をサポートしてきたレイチェル夫人は「前回のアルゼンチンでの試合(アンドレス・カンボスとの同級暫定王座決定戦で負傷判定勝利)は3週間しか調整時間がなかったが、今回はフルにトレーニングできた」と自信をのぞかせた。

22年6月に井上尚弥(大橋)に2回TKO負けを喫して以来、約3年半ぶりの日本のリング。年齢的な衰えを指摘する声もあるが「ノニトのキャリアはジェットコースターのように激しいもの。もう年だと言われながらいつも復活してきた。井上尚弥選手との(最初の)試合も負けたが、再び王者になって挑戦する物語をつくった。そしてまた戻ってきた。今回の試合も物語の一部になる」。レイチェル夫人は夫の“不死鳥伝説”の新たなページに期待していた。【首藤正徳】