第102回箱根駅伝(来年1月2、3日)で悲願の初優勝を目指す国学院大が12日、東京・渋谷区の渋谷キャンパスで壮行会を行…
第102回箱根駅伝(来年1月2、3日)で悲願の初優勝を目指す国学院大が12日、東京・渋谷区の渋谷キャンパスで壮行会を行い、昼休みに集まった多くの学生、教職員を前に前田康弘監督(47)、上原琉翔主将(4年)らが3週間後に迫った大一番に向けて決意を示した。
前田監督は「愛のある、信頼感のあるチームができました。ハーフマラソンの上位10人の平均タイムは全チームでNO1です。堂々と箱根駅伝に臨みます。出雲駅伝は3回、全日本大学駅伝は1回、勝ちました。あとは箱根駅伝だけです。その1点だけを見据えて今年の1年、やってきました。残り3週間、全身全霊で準備します」と力強くあいさつした。上原主将は「いい準備が出来ています。国学院大の名をとどろかせられるように堂々と勝負します。応援をよろしくお願いします」と呼びかけると、キャンパスに大きな拍手が沸き起こった。
今季、学生3大駅伝初戦の出雲駅伝(10月13日)で快勝。3大駅伝では昨季から今季の全日本大学駅伝(11月2日)まで直近の5戦で3勝。国学院大は勝ち方を知り始めている。「箱根だけは勝っていませんから」と前田監督は謙虚かつ慎重に話すが、勝利への道筋は見えている。
最大の強みは分厚い選手層だ。
主将の上原、エースの青木瑠郁(4年)、マラソン日本学生歴代9位(2時間8分50秒)の高山豪起(4年)、新エースの野中恒亨(3年)、出雲駅伝4区で区間新記録をマークした辻原輝(3年)の「5本柱」は学生トップレベル。往路の主要区間でライバル校のエース級と対等に戦える力を持つ。前回まで3年連続で2区を走った前エースの平林清澄(現ロジスティード)の穴は大きいが「5本柱」の全員の成長で十分に埋められる。
復路を担う中間層も人材豊富。前々回9区7位、前回10区3位の吉田蔵之介(3年)の経験者のほか、今季、3大駅伝デビューを果たした尾熊迅斗(2年)、飯国新太(2年)、浅野結太(2年)ら新戦力が続々と台頭している。11月の上尾シティハーフマラソンで1時間1分29秒のU20(20歳未満)日本記録をマークした野田顕臣と高石樹は即戦力ルーキーとして16人の登録メンバーに入った。
山下りの6区は前々回10位の後村光星(2年)と前回16位の嘉数純平(4年)の2人の経験者を擁する。
最後にして最大のピースが山上りの5区だ。前々回は上原、前回は高山が走ったが、それぞれ区間17位、14位と苦戦。「上原、高山は平地の主要区間で頑張ってもらう。5区の候補は下級生に3人います。戦えるめどは立っています」と前田監督は戦略の一端を明かす。5区をしのげば、一気に箱根の頂点が見えてくる。
「前回は本気で箱根駅伝を勝ちにいって勝てませんでした。次こそ勝ちたい」と上原主将はきっぱり話す。悲願の箱根路制覇へ機は熟した。