人気ドラマ、TBS系日曜劇場「ザ・ロイヤルファミリー」(夜9時)の監修を務める元ジョッキーの川島信二助手=栗東・庄野靖…

 人気ドラマ、TBS系日曜劇場「ザ・ロイヤルファミリー」(夜9時)の監修を務める元ジョッキーの川島信二助手=栗東・庄野靖志厩舎=が、12月14日に迎える最終回の見どころを語った。

 競走馬を巡る人間ドラマが描かれてきた本作で、いよいよライバルとの最終決戦となる有馬記念。SNSなどでも「寂しい」「毎回泣いている」「マジですか?」など惜しむ声が相次いでいる。反響について川島助手は「競馬にギャンブルのイメージを強く持っていた方に、多くの人が助け合って手を組んでレースに出走させていることを知ってもらえました。特に好評だったのは馬が人と人とを結びつけている描写。日高地方の牧場関係者が助け合うシーンは実際にある場面です。競馬関係者を含め、多くの方々が『面白い』と言って見ているのを、うれしく思います」と振り返る。

 いよいよ最終回の10話。中山競馬場でのシーンは競馬学校の小林淳一教官、武士沢友治教官の尽力をもとに、実馬を使って迫力あるシーンが描かれている。出演者で栗須栄治役の妻夫木聡をはじめ、馬との触れ合い方が自然すぎて。川島助手は「出演者の皆さんが撮影の合間、合間で馬事公苑に行って馬を実際に触って厩舎作業、馬の引き方、馬への近づき方を練習しているから、馬も安心して映像で普段の姿を見せられるのだと思います。ドラマへの熱量、役者魂だと思います。監督さん、カメラマンさんら、馬を題材とするこの作品を本当に美しく描きたいという情熱が伝わってきます」と出演者、スタッフらが一丸となってドラマをつくり上げてきた。

 元ジョッキーでオースミハルカなどとコンビを組んで活躍した川島助手。騎手役へのフォームの指導、調教助手や厩務員、調教師の仕事内容についてのアドバイスをし、ドラマの監修をしてきた。11月30日のジャパンCには佐木隆二郎役の高杉真宙がプレゼンターとして登場。川島助手は「表彰式をYouTubeで見たけど、『まひろ!』ではなく『さきりゅうじろー!』と声援が飛んでいました(笑)。彼じゃないとあの役はできない。演じられません。野崎翔平役の市原匠悟君にしても、こっちのアドバイスが入らないくらいひょうひょうと乗れる」とジョッキー役の好演を喜んでいる。

 先月下旬、原作者の早見和真が徳島の書店で行ったトークショーに足を運んだという川島助手。「早見さんは『この小説は競馬を知らない方に向けて書いた作品で、ドラマ化されて美しく花開きました。今はいろんなコンテンツがあってテレビを見ない方もいます。見逃し配信など自分の好き時間で見られる時代ですけど、最終回はぜひリアルタイムで見てもらって同じ時間を共有したい』と話していました。僕も同じ気持ちです。リアルタイムで見て、最後の直線のシーンで『ファミリー!』とテレビに向かって、叫んでもらえるとうれしいですね。僕も叫びます」と放送を心待ちにしている。

 父の思いを受け継いだ息子は有馬記念を勝つ夢をかなえられるのか。いよいよクライマックスへのゲートが開く。