◆第77回阪神JF・G1(12月14日、阪神競馬場・芝1600メートル) 「毎日が勉強の日々です」。そう語るのは、アルバ…

◆第77回阪神JF・G1(12月14日、阪神競馬場・芝1600メートル)

 「毎日が勉強の日々です」。そう語るのは、アルバンヌを担当する田端助手。約3年弱の間、南関東の専門紙競馬記者の経験がある。「取材をしているうちに、中でやりたいなという気持ちが芽生えました」と北海道に渡り、ビッグレッドファームで勤務。そこで出会ったのがマイネル軍団の総帥だった岡田繁幸氏だった。

 トレセンの厩舎スタッフを目指すことは、牧場側から見たら必ずしも歓迎されることではない。だが「相談すると、繁幸さんは競馬学校の受験を後押ししてくれました。ずっと気にかけてくれて、僕がトレセンに入ってからも担当馬が勝つと電話をくれたり、本当に偉大な方でしたね」と感謝した。

 年々躍進を続ける田中博厩舎では、開業当初からのメンバーだ。「調教師の意見や経験を共有して、みんなでスキルアップを図っています。調教師は人への投資を惜しまないのですが、それがいい影響を与えているんだと思います」とチームの雰囲気の良さを伝えた。

 そして出会ったのが、23、24年のチャンピオンズC連覇など、G1級を6勝したレモンポップ。「G1で1番人気になっても、緊張しないで自然体で競馬をすることが大事と教わりました」。想像を絶するプレッシャーを何度も経験したが、名馬からの教えは次の世代への財産となる。

 砂の王者レモンポップが引退してから1年後、今度は芝の2歳女王を目指して阪神JFに参戦。「アルバンヌは追い切りも弾むようなフットワークでしたし、楽しみですね」と期待を胸に挑む。

 「僕はたくさんの人に恵まれて今があります。感謝しかありません」。これからも一頭一頭と向き合いながら、ホースマンとしてのスキルを磨き続ける。(山下 優)

 ◇田端 誠(たばた・まこと)1977年10月6日、神奈川県生まれ、48歳。南関東の競馬専門紙で勤務後、北海道新冠町・ビッグレッドファームで研さんを重ね、2006年に美浦トレセン入り。柴田政人厩舎、池上昌弘厩舎を経て、2018年3月に開業した田中博康厩舎へ。趣味はラーメンの食べ歩き。今の夢は「レモンポップの子どもで勝つこと。栗毛ならさらにうれしい」