Jリーグは11日、横浜アリーナで年間表彰式「Jリーグ・アウォーズ」を開催し、鹿島の9年ぶり9度目のJ1優勝に貢献したG…
Jリーグは11日、横浜アリーナで年間表彰式「Jリーグ・アウォーズ」を開催し、鹿島の9年ぶり9度目のJ1優勝に貢献したGK早川友基(26)が最優秀選手賞(MVP)に初めて輝いた。GKの受賞は2010年の楢崎正剛(名古屋)以来、15年ぶり2人目。鹿島の選手としては09年の小笠原満男以来、4人目。ベストイレブンには鹿島から早川とDF植田直通(31)、21ゴールで得点王になったFWレオセアラ(30)の最多3人が選ばれた。2位の柏からDF古賀太陽(27)とMF小泉佳穂(29)が入り、町田のFW相馬勇紀(28)や広島のMF田中聡(23)も名を連ねた。
MVP発表で自身の名前が告げられた早川は、口を真一文字に結んだままだった。「ちょっと泣きそうになった」。GKとしては楢崎以来、15年ぶりのMVP獲得となり「自分が受賞したことで、小さい子が“GKをやりたいな、早川選手みたいになりたい”と思ってもらえる選手になれれば」と新たな使命感を燃やした。
鹿島の絶対的守護神としてリーグ戦全試合出場。月間ベストセーブ賞を4度受賞するなど、リーグ2番目に少ない31失点を誇った守備陣で絶大な存在感を放った。「シュートを止めることはゴールと同等の魅力がある」。信念を遂行し、9年ぶりのリーグ優勝の立役者となった。
今でこそ187センチと高身長だが、横浜Mの下部組織時は身長が足りずユース昇格を見送られた過去もあった。「他で勝つしかない」とキャッチング、ステップワークを反復練習。「いい意味で」厳しい両親による食事、生活面でのサポートもあり大きく成長した。
初の日本代表入りも果たし、飛躍の1年に。表彰式ではサプライズで森保一監督から祝福のメッセージを送られた。代表では鈴木彩艶(パルマ)ら強力なライバルがいるが、W杯でのレギュラー奪取へ青写真を描く。「選ばれて出場して優勝する目標に向かっていきたい」。鹿島の守護神から日本の守護神へ-より高みを目指していく。
◇早川 友基(はやかわ・ともき)1999年3月3日、神奈川県出身。6歳からサッカーを始める。横浜Mの下部組織から桐蔭学園高、明大を経て21年に鹿島に加入。22年9月の鳥栖戦でリーグ戦デビュー。23年からレギュラーに定着し、24年はリーグ戦全試合に出場。今季も開幕から安定したプレーを続け、7月に日本代表初招集。東アジアE-1選手権の中国戦にフル出場し無失点で、代表デビューを果たした。187センチ、81キロ。好きな食べ物は焼き肉。