◇カーリング ミラノ・コルティナ冬季五輪最終予選(10日、カナダ・ケロウナ) 女子のプレーオフ(PO)で日本代表のフォル…

◇カーリング ミラノ・コルティナ冬季五輪最終予選(10日、カナダ・ケロウナ)

 女子のプレーオフ(PO)で日本代表のフォルティウスがノルウェーとの接戦を6―5で制し、日本女子として1998年長野大会から8大会連続の五輪出場を決めた。

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 世界と戦える下地をつくって五輪を引き寄せた。チームは20年から陸上男子100メートルで活躍した仁井有介氏(41)をフィジカルトレーナーに招聘(しょうへい)した。陸上の動きにカーリングの要素を取り入れたトレーニングを導入。ミニハードル、ラダー(はしご状のマス目を使って俊敏性を鍛える道具)などを使用して強化した。また、石をリリースして円内までスイープする時間を想定した30秒間走を休憩を挟みながら1回に20~30本行うなど、今までよりも質、量ともに増やし、体を鍛え抜いた。

 仁井氏は「動きの大小、力の強弱、動きの自由度を高めることを選手に話してきました。はじめはきつそうでしたが、ここ1、2年でこなせるようになりました」と成果を口にする。

 他にもバレエを学び股関節の柔軟性も取り入れ、体の使い方を身につけた。昨秋には以前も師事したことのある23年WBCで日本代表ヘッドコーチを務めた白井一幸氏(64)をメンタルコーチとして再招聘。仁井氏は「最近はどっしりしていて安心して試合を見ていられます。確固たる芯ができた感じですね。五輪でも自分たちが思い描いたことを表現できれば」と話す。五輪への強い思いを胸に積み上げてきた地道な努力が、大一番で見事に花を開いた。(松末 守司)

 ◆仁井 有介(にい・ゆうすけ)1984年4月16日生まれ。北海道・伊達市出身。41歳。順大卒。選手時代は北海道ハイテクACの男子選手として女子100メートルで五輪3大会出場の福島千里、女子ハードルの第一人者だった寺田明日香らとともに練習を重ねた。現在はNSD(North Sprint Dept.)代表などを務め、陸上教室、プロスポーツ選手を指導するなど幅広く活動している。