<2025Jリーグアウォーズ>◇11日◇横浜アリーナJリーグアウォーズ(年間表彰式)が11日、横浜アリーナで行われ、9年…
<2025Jリーグアウォーズ>◇11日◇横浜アリーナ
Jリーグアウォーズ(年間表彰式)が11日、横浜アリーナで行われ、9年ぶり9度目のリーグ制覇を果たした鹿島アントラーズの守護神・早川友基(26)が最優秀選手(MVP)に初選出された。GKの受賞は10年の楢崎正剛(名古屋)以来15年ぶり2人目。鹿島としては小笠原満男以来16年ぶり4人目の栄誉となった。得点王と最優秀ゴール賞は同じく鹿島のFWレオセアラ(30)が初めて選ばれた。ベストイレブンは11人中10人が初受賞。鹿島勢が最多の3人入った。
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33年の歴史で2人目の偉業を達成し、早川はやや緊張気味にトロフィーを受け取った。「優勝した時はうれしいが勝ったんですけど、ここに来るとちょっと泣きそうになりました」。今季のJリーガーで最高の評価を得た。幼い頃からプロになるために努力してきたことなどが頭をめぐり、思わず感極まったという。
これまでの歴史が示すように、個人賞はフィールドプレーヤーが受賞することが多い。過去を振り返っても10年の楢崎のみ。しかし年々そのポジションの重要性は高まっている。早川は胸を張ってこう語った。
「シュートを止める楽しさを知ってほしい。止めることはゴールすることと同等の価値がある。その魅力を感じてほしい。GKというポジションが世界的にも国内でも人気で、誰もが憧れる、なんならサッカーやる選手はみんなGKやりたいというくらいでも個人的にはいいと思う」
横浜の下部組織時代には身長が伸び悩み、ユースには昇格できなかった。それでも「身長や身体能力で勝てないなら、他で勝つしかない」とキャッチングの質やステップワークを磨いた。「プロになりたい」と志した小学生時代から両親からは食事や睡眠などのサポートを受け、187センチまで成長。まいた種を収穫するように総合力が高まった。
今季は神セーブを連発した。印象的だったのは優勝争い大詰めの第37節。苦戦した敵地東京V戦で決定機を右手で阻止し、今季4度目の月間ベストセーブ賞に輝いた。9季ぶり9度目の優勝を大きくたぐり寄せた場面だった。
飛躍の年でもあった。国内組主体で臨んだ7月の東アジアE-1選手権でA代表デビュー。9月以降定着し、来年のW杯北中米大会行きも現実味を帯びてきた。「ここに満足することなく、もっともっと上の上を目指して成長していきたい」。最高の形で今季を締めくくり、来季を見据えた。【佐藤成】