<カーリング五輪最終予選:日本6-5ノルウェー>◇10日(日本時間11日)◇女子プレーオフ◇カナダ・ケロウナ【ケロウナ(…

<カーリング五輪最終予選:日本6-5ノルウェー>◇10日(日本時間11日)◇女子プレーオフ◇カナダ・ケロウナ

【ケロウナ(カナダ)=飯岡大暉】カーリング女子日本代表(世界ランキング5位)のフォルティウスが五輪出場を決めた。2位で進出したプレーオフ(PO)第1戦で1位ノルウェー(同7位)に6-5で勝利。前日に1次リーグ最終戦で逆転負けした相手を破った。日本女子8大会連続出場を果たした。

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2人が幾多の日々を超えて、2度目の五輪に挑む。10年バンクーバー大会にチーム青森として出場したリード近江谷杏菜(36)は「16年ぶりは本当に信じられない。プレーヤーとして数段成長した姿で本番に挑めると思う」と日本カーリング史上最長ブランクでの再到達を喜んだ。

チームの先陣を切るチーム最年長だ。安定したプレーと、力強いスイープが持ち味。今大会はリードでは全チーム最高のショット成功率89・6%を記録した。パフォーマンスの発案者でもある。五輪出場が決まると、輪になって歓喜。その後、5人で並んで右手で弓を引くポーズを披露した。「言い出しっぺは私」と告白した。10月に同会場で合宿を行い、各メンバーが複数案を出して採用。方角を調べ、イタリア・コルティナへ向かって矢を放った。五輪開催地へ、2カ月早く思いを飛ばして「かっこよかったかどうか分からない」と笑った。

北海道銀行として14年ソチ五輪に出場したサード小野寺佳歩(34)は「五輪の記憶は鮮明に残っていない」と明かした。インフルエンザにかかり開幕から欠場。5位に終わった苦い思い出がある。12年ぶりの舞台へ「最高のチームで五輪のに立てるのは本当に幸せ」と喜んだ。今大会は援軍が駆けつけた。父でロコ・ソラーレの小野寺亮二コーチ、母の真美さんが駆けつけた。2人そろってはソチ以来。大会前日に腰痛を発症するなど、苦しい期間だったが「鼓舞する声がすごく聞こえた。遠いところまで2人で駆けつけてくれて力になった」と感謝した。

近江谷が「お互い確実に強くなった」と言えば、小野寺は「2人ともしぶとい」と明かす。経験者がフォルティウスをけん引する。【飯岡大暉】

◆フォルティウス 11年4月に小笠原歩と船山弓枝(現コーチ)、吉田知那美(現ロコ・ソラーレ)、小野寺で「北海道銀行フォルティウス」結成。14年ソチ五輪5位。同年に吉田知が退団し、吉村、近江谷が加入。15年日本選手権初優勝。21年にスポンサー契約が終了し「フォルティウス」に。21年12月に小林、22年9月に小谷が入団。チーム名はラテン語で「より強く」。