J2北海道コンサドーレ札幌の来季監督として、当時J1の鳥栖などで指揮を執った川井健太氏(44)の就任が11日、クラブか…

 J2北海道コンサドーレ札幌の来季監督として、当時J1の鳥栖などで指揮を執った川井健太氏(44)の就任が11日、クラブから正式発表された。同時に今季8月から指揮した柴田慎吾監督(40)の来季トップコーチ就任も、クラブが併せて発表した。

 この日、札幌市内での会見に臨んだ川井新監督は「責任も感じてますし、わくわくする自分というものを抑えきれない。今から北海道コンサドーレ札幌は変わっていく。私はその1つの幹となって、そこからどんどんと枝を作っていって、葉っぱを作っていって、皆さんに認めてもらうクラブにしていきたい」と抱負を口にした。

 今季12位に終わったクラブは、立て直しを図るべく、指揮官の変更を検討。フロントメンバーの満場一致で候補となったのが、人もボールも動く攻撃的スタイルが特色の川井氏だった。1か月前に打診を受けた川井氏は、札幌にも来て、石水創代表取締役社長(43)らに会い、話をした。「熱意というものを感じた」。同時にクラブが目指す地域密着の方針が、胸に響いた。「北海道の子供たちだったり、このクラブの文化を良くしていくという、フットボールだけじゃない部分の話もされた。そういった難しいことにチャレンジしようという心意気に、心を揺さぶられた」。手を取り合って札幌を魅力あるクラブにすべく、オファーを受諾した。

 2022~24年8月まで指揮した鳥栖では、数的有利を作りながら試合を進める積極的な戦法で注目された。札幌でも基本理念は変わらない。「今回、自分自身が今までやってきたフットボールをまず否定から入ってみたが、1周回って続けていくものは続けていくところに行き着いた。そこに対してのプライドも持ってるし、皆さんが思っているような、わくわくするようなフットボールをしていきたい」と意欲を示した。

 来年の秋春制への移行に伴い、J1昇格は最短でも2027年になる。大目標に向け、12位に沈んだ今季を踏まえ、川井新監督は「勝ち方を選手とともに作り上げて、ファンサポーターの皆さんが納得できる、また応援したいなと思えるフットボールを展開したい」。組織力を盤石とするため、コンサドーレとしての明確なスタイルを築いていく。

 その前にすべき役割を1つ、強調した。「今シーズン中心になった選手というのは良い選手だなと思いましたし、核となる選手は絶対必要。その選手たちを引き留められるか、かつ、このクラブでやりたいと思わせるかというのは、僕たちがやらなければいけない大事な仕事」と12月中の“戦い”に目を向けた。名前こそ出さなかったが、J1複数クラブからオファーが届いているMF高嶺朋樹(27)らの確保にまずは専念。戦力を整え、来年1月11日の始動から全力で指揮していく。(砂田 秀人)