オリックスの24年ドラフト3位、山口廉王(れお)投手(19)が、プロ入り後初めてとなる今オフ、単独自主トレを決断したこと…
オリックスの24年ドラフト3位、山口廉王(れお)投手(19)が、プロ入り後初めてとなる今オフ、単独自主トレを決断したことが10日、分かった。
今季終盤に1軍デビューを飾ったが勝敗はつかず。193センチ、97キロの巨体ならではの悩みを抱えた1年目を終え、来季「1軍で1勝、10試合登板」のノルマ達成を目標に掲げた。
「体の管理をこだわりたい」と銘打って過ごし、実家にも帰省せず、母校・仙台育英(宮城)で過ごすことに決めた。「料理が好きなので」と中学時代は家族に食事を振る舞っていたしっかり者。約1カ月弱、単身生活の傍ら、ストイックに自炊も行っていく。
12月上旬まで、台湾ウインターリーグで計4試合に登板した。開幕直後の11月中旬にインフルエンザに罹患(りかん)し静養したが、決勝で来秋の社会人野球の強打者が集まるJABA選抜戦で先発し、6回1失点と好投した。
「結果的に抑えられましたが、フォームも崩れて球速も出ずに…。全然満足いかない」と厳しく自己評価。帰国後、トレーナーから許可された軽度のメニューで体を動かしている。
こだわりは1つ。「コンスタントに150キロ台の球速を出したい」。
2軍で主に先発経験を積み、9試合2勝2敗、防御率2・83。「(先発は)投げやすい。僕の投球は尻上がりなので」と手応えはあった。前半こそ「球速が出ていた」が、後半は「バテていた。すごく引っかかりますし、球速が落ちたのは、僕の中で課題」。理想の状態を維持する難しさに直面した。
山口ならではの悩みもある。「人よりデカいし動くし食べないといけないが、(普段の)食事で出される量を食べると太ってしまう。今年はいい体重の増え方ができなかった。体の管理をこだわって、学びたい」。球団や寮から許可を得て必要とし、摂取したい食事も来季から新たに取り入れる。
「自分で工夫した食事もとりつつ(寮やケータリングで)出された食事の量も食べること」が理想の食事スタイルと判明。「慣れていないのもあり、食べて太っていて。疲れでトレーニングができない分、筋肉量を増やしていましたが、合っていなかった」
体成分分析装置・インボディでは、体脂肪や筋肉量の数値に問題なし。「体の動きがもっとよくなってほしい。ウエートやランをもっとしないと、数値には見えない『いい動き』ができない」。高校でも栄養バランスを心がけており、夜食などに卵かけご飯を食べたり「油を使わないレンチンチャーハン」と題し、溶き卵に調味料や白飯を混ぜ、レンジで温めてできあがる特製チャーハンもタンパク質や脂質の栄養源だった。
大器を予感させる熱意だ。「今は投資。来年に懸けていますから」。決してすぐではない「その時へ」謙虚に「きっと後半でチャンスが回ってくるかもしれない。(来季の)後半には1軍でアピールしたい」。
同年代の高卒勢での一番乗りとなる初勝利も視野に、己を高めていく。【中島麗】