<カーリング五輪最終予選:日本6-5ノルウェー>◇10日(日本時間11日)◇女子プレーオフ◇カナダ・ケロウナ【ケロウナ(…

<カーリング五輪最終予選:日本6-5ノルウェー>◇10日(日本時間11日)◇女子プレーオフ◇カナダ・ケロウナ

【ケロウナ(カナダ)=飯岡大暉】女子日本代表(世界ランク5位)のフォルティウスが、26年ミラノ・コルティナ五輪(オリンピック)出場を決めた。

最終予選のプレーオフ(PO)第1戦で強敵ノルウェー(7位)に6-5で勝利し、残り2枠に滑り込んだ。日本女子として98年長野大会から8大会連続出場を決めた。

PO1位通過のノルウェーが有利な後攻でスタート。第1エンド(E)に先制されるが1点にとどめ、第2Eに2点を奪った。第3Eに2点を許すが、第4、5Eと連続で加点。スチールに成功して4-3で前半を折り返した。

後半は第6Eに1点を与え、第8Eには1点をキープ。接戦の末、最後に突き放して、白星を手にした。

日本は24、25年の世界選手権では好成績を残せず、五輪出場権を獲得できていなかった。五輪10枠のうち8枠が決定しており、今大会がラストチャンス。1次Lは6連勝発進し、最終戦でノルウェーに延長戦の末に敗れたものの、前日に屈したライバルをPO初戦で撃破した。

スキップ吉村紗也香(33)にとって、悲願の舞台にたどり着いた。常呂高時代の10年バンクーバー大会から五輪への挑戦が始まった。札幌国際大時代の14年ソチ大会など、4度も代表決定戦に出場。五輪を夢見てきた。前回の22年北京大会に向けてはロコ・ソラーレとの一騎打ち。2連勝からの3連敗で敗退し、涙を流した。

21年11月には、スポンサー契約を打ち切られた。看板を失い「フォルティウス」として活動。苦しい状況にありながら、司令塔としてチームを引っ張ってきた。23年12月には長男を出産。産休明けの今年2月には日本選手権を制覇。9月にロコ・ソラーレらとの代表決定戦を制し、初めて最終予選に駒を進めていた。

頼もしい経験者に支えられた。リード近江谷杏菜(36)は10年バンクーバー五輪代表、サード小野寺佳歩(34)は14年ソチ五輪代表。過去五輪3大会に出場した小笠原歩ナショナルコーチ、船山弓枝コーチも今大会に帯同した。セカンド小谷優奈(27)に加え、リザーブ小林未奈(23)も起用した総力戦で、夢舞台への扉を開いた。

大会初日に吉村は「このチャンスをしっかりこのチームでつかんで、自分たちの目標である五輪で金メダルに1個1個その道に進んでいきたい」と誓っていた。夢にまた、1歩近づいた。

▽五輪出場を決めた女子日本代表フォルティウス吉村紗也香の話 ものすごくうれしいです。このメンバーでオリンピックの出場権を勝ち取ることができて、本当にうれしいです。総力戦でつかみ取った勝利だったと思います。

◆フォルティウス 11年4月に小笠原歩と船山弓枝(現コーチ)、吉田知那美(現ロコ・ソラーレ)、小野寺で「北海道銀行フォルティウス」結成。14年ソチ五輪5位。同年に吉田知が退団し、吉村、近江谷が加入。15年日本選手権初優勝。21年にスポンサー契約が終了し「フォルティウス」に。21年12月に小林、22年9月に小谷が入団。チーム名はラテン語で「より強く」。

◆女子フォルティウスの日程 ※日本時間。()は世界ランクで日本は5位

6日午後0時 8○4米国(10位)

7日午前7時 8○6ドイツ(13位)

8日午前2時 7○5オーストラリア(24位)

8日午後0時 10○3チェコ(15位)

9日午前7時 10○5トルコ(12位)

10日午前2時 9○2エストニア(14位)

10日午後0時 9●10ノルウェー(7位)

11日午前7時 6○5ノルウェー(1次L1位)