広島の森下暢仁投手(28)が10日、マツダスタジアム内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、今季年俸1億8000万円から2…
広島の森下暢仁投手(28)が10日、マツダスタジアム内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、今季年俸1億8000万円から2000万増の2億円でサインした。今季は自身初の開幕投手を務めるも自己最少の6勝止まり。以前から口にしてきたメジャー挑戦の夢は胸にしまい、まずはカープをけん引していく覚悟を示した。(金額は推定)
約1時間20分にわたるロング交渉。会見場に姿を見せた森下は「長かったですよね?自分も気づいたらこんな時間で…。待たせてしまいましたね。申し訳ないです」と報道陣に気を配った。交渉の席では金額面ではなく、チームや個人のことについての話に多くの時間が割かれ、時間が経過するのも忘れるくらい濃密な会話を重ねた。
今季の年俸は当初1億6500万円とみられていたが、1億8000万円だったことが判明。そこから2000万増で大瀬良と並んでチームトップとなる2億円となった。球団は「勝ち星には恵まれなかったが柱として役割を果たしてくれた」と評価。入団から6年連続昇給となった右腕は「ちゃんと評価してもらいました。チームを引っ張っていかないといけないなと改めて思いました」と表情を引き締めた。
大卒6年目の今季は自身初の開幕投手を務め、防御率2・48の数字を残す一方で6勝にとどまり、両リーグワーストの14敗を喫した。エース級と投げ合う中、僅差で競り負ける試合が多く、「貯金をつくれず、借金ばかりつくってしまった。そこが本当にふがいなかった」と振り返る。
将来的なメジャー挑戦の夢も持ち続けているが、「成績が良いわけでもないですし、中途半端にアメリカに行ける話ではない」とキッパリ。今回の交渉の席でポスティング制度に関する話は1、2分にとどめ、「今年の成績に関しては自分も思うところがある。まずはチームで役割を果たさないといけない」とカープで圧倒的な数字を残すことに目を向けた。
シーズン終盤は右肩の炎症で3軍での調整が続いていたが、患部の回復状況は順調だ。11月にはブルペンで傾斜を使った投球も行い、140キロ程度を計測した。「キャンプにはしっかり間に合うと思うので、そこでみんなに見てもらえたらと思います」と見通す。
来季から栗林らが先発挑戦することを「自分がふがいない成績ばかりだったので、先発が足りないと思われている」と受け止めた右腕。競争の先にある2年連続開幕投手の座に向けては「もちろんそのつもりでいますし、そうやってチームを引っ張っていかないといけないと思っています」と意欲を隠さなかった。逆襲の7年目へ、誰もが納得する成績を残してみせる。