来年6月11日(日本時間12日)に開幕するサッカーW杯北中米3カ国大会まであと半年。組み合わせ抽選会も終えて、「優勝」…
来年6月11日(日本時間12日)に開幕するサッカーW杯北中米3カ国大会まであと半年。組み合わせ抽選会も終えて、「優勝」を掲げる日本代表はオランダ、チュニジア、欧州プレーオフ勝者との1次リーグF組に決まった。2014年ブラジル大会に出場し、今年1月の現役引退後は日本代表戦の解説も務める元日本代表FW柿谷曜一朗氏(35)に、森保ジャパンの展望を聞いた。
史上初めてブラジルに勝利するなど3連勝で年内の活動を終えた森保ジャパン。上昇ムードでW杯イヤーを迎えるが、11月のガーナ戦の解説を担った柿谷氏も「皆さんと一緒です。優勝できそうじゃないですか。4年に一度、同じ議題が挙がっていると思いますけど、今回はいけるんじゃないかという思いが、より強いのではないでしょうか」と期待を口にする。
充実の要因をどこに見ているのか。「(現代表は)日本代表というよりは、森保ジャパンという感じ。森保監督が必要とする選手をずっと連れていくと思う。だから変な話、今の日本代表の選手よりもサッカーがうまい選手はたぶんJリーグにもいると思う」と指揮官が求めるチームとしての成熟度を強調。「森保監督の基準に、海外で経験を積んでるというところが大きくあると思う。そういうところも踏まえてチームを作り上げてきている。僕が代表にいた時とは違うなとは思いますね」と指摘する。
自身はブラジルW杯前年となる13年の東アジア杯で代表初招集。そこからの活躍でメンバー入りを果たした。「当時はまだJリーグの選手も何人も代表にいましたし、(13年の)年末にかけて調子がすごく良くて。でもW杯シーズンが始まってから調子を落とした」と振り返る。1次リーグ敗退に終わった本大会では2試合に途中出場。「自分自身の責任が一番大きいんですけど、W杯を意識したり、周りの持ち上げ方についていけなかったり、調子に乗ったり。もう2年前ぐらいから準備したかったなと思いました」とW杯に臨む心構えの重要さを説いた。
現代表では南野拓実(モナコ)、瀬古歩夢(ルアーブル)らC大阪時代の後輩が活躍。南野はゲームキャプテンを任せられるなど中心的存在として君臨する。「今の位置まで来たのは、若い時から努力してきた結果。技術よりも、こうなりたい、有名になりたい、うまくなりたいという気持ちが誰よりも強かった」と思い返し、「(香川)真司くん、乾(貴士)くん、キヨ(清武弘嗣)がやってきたことをちゃんと引き継いだなと思う」とC大阪ゆかりの選手の活躍を喜ぶ。
引退試合を控える自身は現状、指導者への転身は考えておらず、解説などを中心に活動している。「最初は何の知識もなかった。でも、海外や代表戦の解説をさせてもらうことになって、勉強というのかな。めちゃくちゃサッカーを見るようになった。試合そのものより、誰がどうやってしゃべってるんやろ、と聞きながら見るようになりましたね」。現役時代の意外性のあるプレー同様、独自の視点による解説にも注目だ。
◆柿谷曜一朗(かきたに・よういちろう)1990年1月3日、大阪市出身。4歳からC大阪の下部組織で育ち、2006年に当時クラブ史上最年少の16歳でプロ契約した。徳島、バーゼル(スイス)、名古屋に在籍した。J1通算238試合出場52得点。13年7月の東アジア杯・中国戦で日本代表デビューを果たし、国際Aマッチ18試合出場5得点。家族はタレントの丸高愛実夫人と長女、次女、長男。176センチ、68キロ。