大分・明豊高野球部の川崎絢平監督(43)が10日、現役ドラフトで阪神へ移籍することが決まった、浜田太貴外野手(25)へ…

 大分・明豊高野球部の川崎絢平監督(43)が10日、現役ドラフトで阪神へ移籍することが決まった、浜田太貴外野手(25)へエールを送った。高校時代、甲子園での大活躍をきっかけにプロへの扉を開いた教え子。“原点”とも言える地での再起に大きな期待を寄せた。

 浜田の移籍を、川崎監督は「自分も関西出身なのでうれしい」と喜んだ。一方で「ラストチャンスだと思って頑張ってほしい」と冷静に言葉を紡いだ。教え子の置かれた立ち位置は十分に理解しているからだ。

 プロ入りをたぐり寄せた聖地に帰ることになる。浜田が高校2年の夏に出場した甲子園。3試合で15打数9安打の打率・600、2本塁打9打点と大暴れ。「彼は大事な大会で活躍する選手だった」。スカウトが集結する大舞台での勝負強さが光った。

 あれから8年。今度は甲子園が本拠地になる。「プロへの縁をつないだ場所。またそこに戻って、周りから認めてもらえるようになってほしい」と願いを込めた。

 プロでも18本塁打を放っている長打力が、浜田の最大の魅力。「思い切りがよくて怖いもの知らず。イケイケの選手です」と特徴を話す。ただ、野球を離れると人見知りな性格だといい「早くチームになじんで、自分のペースで野球をしてくれたら」と慣れない環境への適応をポイントに挙げた。

 セ・リーグ王者で、外野のポジション争いが激しい阪神に加入する。「まずタテジマのユニホームが似合うか心配です」と笑った川崎監督。「ここ数年、泣かず飛ばずできたので、環境の変化がいいように出てくれたら。来年が勝負だと思うので、いい準備をしてほしい」。浜田が大観衆の前で、豪快なアーチをかける姿を待っている。