◆第77回阪神JF・G1(12月14日、阪神競馬場・芝1600メートル)追い切り=12月10日、美浦トレセン キャリアの…

◆第77回阪神JF・G1(12月14日、阪神競馬場・芝1600メートル)追い切り=12月10日、美浦トレセン

 キャリアの浅い2歳牝馬の戦いとあって、阪神JFの追い切りは各陣営の細やかな心配りが目に付いた。まず注目したのは、積極的に手を打ったラスティングスノー(牝2歳、美浦・池上昌和厩舎、父モズアスコット)だ。池上調教師から連絡を受けた菱田裕二騎手が、わざわざ関西から美浦に駆けつけ、朝一番に入念なコンタクトを取った。

 Wコースで外タイセイスタナー(2歳新馬)を1馬身追走する形から、道中もしっかりと折り合い、6ハロン83秒3―12秒0の馬なりで楽に1馬身先着した。息の合った動きを披露した鞍上は「もう少し気持ちが高ぶるところがあるのかなと思ったが、イメージしていたよりもすごく穏やかでした。いろいろ融通が利きそう」と、収穫が大きかった様子。さらに週末の雨予報を念頭に、「馬場が渋っても全然いいなと思いました」と、フットワーク軽く“動いた”成果は十分にあった。

 一方でミツカネベネラ(美浦・鈴木伸尋厩舎、父モーリス)はこの日、美浦・坂路で61秒0―15秒2と軽めの調整にとどめた。木曜日も津村明秀騎手が騎乗して、Wコースで1ハロン15秒台で軽く流す程度の予定で、課題のテンション面を考慮した“静かな”策。鈴木伸調教師は「テンションは少しずつ上がってきているね…」と渋い口調だったが、こちらも一発を狙って打てる手を打っているのは同じだ。関西馬ではスターアニス(牝2歳、栗東・高野友和厩舎、父ドレフォン)が映像で良く見えて、まだ混沌(こんとん)とした勢力図しか見えない。(坂本 達洋)