中日ドラフト2位の東北福祉大・桜井頼之介投手(22)が、母への思いが詰まった背番号16を背負いプロでの活躍を誓った。10…

中日ドラフト2位の東北福祉大・桜井頼之介投手(22)が、母への思いが詰まった背番号16を背負いプロでの活躍を誓った。10日、名古屋市内で新入団会見が行われ、9人の新人は来季から使用される新デザインのユニホームで登場した。壇上で桜井は「母親の誕生日が10月16日なのでよかった。まだまだ親孝行できたらいいです」と笑顔。母麻衣子さん(58)は「感動しました。うれしい」と涙を流しながら見つめていた。

桜井が中学1年の時に麻衣子さんは大腸がんを患った。その後、リンパ節、肺、肝臓と3回転移した。最後の手術から5年、現在も検査を受けてはいるが「寛解」の状態になるまで乗り越えた。1人っ子の桜井は中学時代、1人でお見舞いに来ていた。麻衣子さんは「つらかったと思うけど、野球に打ち込むことで何か違う気持ちにもなれたと思う」と話す。

兵庫・尼崎市の実家を離れ高校から愛媛へ。大学は仙台と遠く、なかなか応援には行けなかった。これからは名古屋が本拠地、甲子園で阪神戦も数多くある。井上監督もドラフト1位の中西とともに先発ローテ争いの1人と考えている。

背番号16は岩崎がシーズン途中でオリックスに移籍し空いていた。大学時代も着けていたこともあり井上監督が選んだという。150キロ超の直球と真横に曲がるスライダー、制球力が武器の右腕が開幕ローテ入りし、プロでも親孝行し続ける。【石橋隆雄】

◆桜井頼之介(さくらい・よりのすけ)2003年(平15)7月21日生まれ、兵庫県尼崎市出身。小1から難波ホークスで野球を始め、中学は尼崎ボーイズでプレー。聖カタリナ学園では1年秋からベンチ入り。3年時にエースとして、同校初の甲子園となる春のセンバツ出場。東北福祉大では1年秋にベンチ入り。今春はMVP獲得。大学選手権で全国制覇し最優秀投手にも選ばれた。175センチ、68キロ。右投げ右打ち。