来年1月26日付けで大相撲の常盤山部屋を継承する湊川親方(元大関・貴景勝)が10日、部屋持ちの親方になることを前に、現…
来年1月26日付けで大相撲の常盤山部屋を継承する湊川親方(元大関・貴景勝)が10日、部屋持ちの親方になることを前に、現在の心境を明かした。
師匠の常盤山親方(元小結・隆三杉)が来年春場所前の3月1日付で65歳の定年になるため、部屋を継承して湊川部屋とすることが九州場所後に発表されていた。同親方は昨年秋場所で現役を引退し、部屋付きの親方として指導をしてきた。親方としての約1年間を振り返り「現役の時は自分に向けてやってきたが、今は人を強くするという楽しさ、やりがいがとてもある。引退してみないとわからないやりがいを感じている。(師匠になる)今後はやりがいを感じるだけではダメなので、結果を残さないといけない。一からまた頑張っていこうという気持ちで、力士とお互いにいい刺激になってくれれば良いと思う」と話した。
この日も東京・板橋区にある部屋の朝稽古で力士たちを指導し、時には激しいゲキが飛ぶ場面もあった。申し合い稽古の取組後には、身ぶり手ぶりをまじえながら力士一人一人に細かく技術を指導。現役時代に押し相撲を得意とした同親方は、四つを得意とする力士に対して、押し相撲の力士がされて嫌な相撲をことを事細かに伝えた。「自分は四つ相撲はやってこなかったので、四つの攻め方をあまり自分の体で表現はできない。でも押し相撲が四つ相撲にされて嫌なことは体で覚えている。だから押し相撲側の目線で、四つ相撲の子に対してはそういう教え方をしている。押し相撲の子には僕の長所というところを伝えることができる」と語った。
来年8月に30歳となる同親方は現在29歳。20代での部屋持ちの親方は、29歳11カ月で佐渡ケ嶽部屋を独立して尾車部屋を創設した元大関・琴風の琴風浩一さん(スポーツ報知評論家)ら過去の例は少ない。異例の20代での師匠という立場にも「現役の空気感を生かしてやれることをやっていければ。自分が指導をしていく立場だが、まだまだ未熟。いろいろなことを吸収して、一から勉強させてもらう気持ち」と力強く話した。
思い描く理想の部屋については「いろいろなことがあるが、力士を強くすることが本来の一番の目的だと思うので、やっぱり結果を出したい。全員が全員成功できる世界ではないので、『入門してよかったな』『相撲界に入って良かったな』と思ってもらえるような部屋にしたい」と言葉に力を込めた。