◆香港カップ・G1(12月14日、シャティン競馬場・芝2000メートル)追い切り=12月10日、シャティン競馬場 指揮官…
◆香港カップ・G1(12月14日、シャティン競馬場・芝2000メートル)追い切り=12月10日、シャティン競馬場
指揮官の強い思いが込められた。今回が海外初出走となるベラジオオペラ(牡5歳、栗東・上村洋行厩舎、父ロードカナロア)は、香港ヴァーズの有力馬ソジーと一緒のタイミングで芝コースに。先にキャンターに入ったフランスG1・3勝馬から遅れること約30秒後。3コーナーあたりからペースアップすると直線で一杯に追われる意欲的な内容で、6ハロン82秒6―ラスト2ハロン22秒1をマーク。3度目のG1制覇へ向けて闘魂を注入された。上村調教師は「こっちに運んだときはいい意味でピリピリしていたが、日がたつごとになじんできているので、調整過程でレースが近いんだよと教えるために」と意図を説明。あえて強めの負荷をかけた。
2走前の大阪杯はコースレコードでレース史上初となる連覇を達成。2000メートルの実績は国内屈指といえるが、昨年の天皇賞・秋では6着に敗れた。指揮官は「昨年は暑い時期に帰厩しての参戦。暑さに弱い馬なので、秋の天皇賞は頭になかった」と今年は涼しくなる時期まで温存。「脚質的にも合いそうだし、勝とうと思うと2000メートルがベスト」。国内路線もあるなかで距離やコース形態からパフォーマンスを最大限に発揮できる舞台として狙いを定めた。
4連覇を目指す地元のロマンチックウォリアーが日本馬の前に立ちはだかるが、「完成の域に入ってきているし、勝つつもりで来ている。いい競馬をしてほしい」とトレーナーに臆する様子はない。今年こそ、香港の雄の勢いを止める。(浅子 祐貴)
◆上村調教師に聞く
―香港に来てからの状態と追い切りについて。
「香港に来て慣れたというか、そういう意味で(追い切りは)ステッキを2発くらい入れました。トレセンで仕上げてきているので、メンタルだけかなと思います」
―5歳秋を迎えての成長。
「だいぶ大人になってしっかりしてきた」
―意気込みを。
「今年3回目の出走になりますけど、確実に崩れないレースをしてくれると思います。一番勝てるG1が香港だと思って、ここ一本に仕上げています」