◆プロボクシング ▽スーパーバンタム級(55・3キロ以下)12回戦 前WBC&IBF世界バンタム級統一王者・中谷潤人―…
◆プロボクシング ▽スーパーバンタム級(55・3キロ以下)12回戦 前WBC&IBF世界バンタム級統一王者・中谷潤人―WBC世界同級10位セバスチャン・エルナンデス▽WBA・WBC・IBF・WBO世界スーパーバンタム級(55・3キロ以下)タイトルマッチ12回戦 4団体統一王者・井上尚弥―WBC同級2位アラン・ピカソ(12月27日 サウジアラビア・リヤド)
12月27日にサウジアラビア・リヤドで行われる「THE RING V:ナイト・オブ・ザ・サムライ」に参戦する前WBC&IBF世界バンタム級統一王者・中谷潤人(27)=M・T=が10日、米ロサンゼルスでの合宿から羽田空港着の航空機で帰国。「充実したトレーニングを積んでロサンゼルスでやるべきことをやり切って帰ってこられた。これから試合に向けて、日本とサウジアラビアでの調整を抜かりなくやっていきたい」と話した。中谷は27日、サウジアラビア・リヤドでスーパーバンタム級転向初戦となる同級12回戦に臨み、WBC世界同級10位セバスチャン・エルナンデス(25)=メキシコ=と対戦する。
ロサンゼルスでは、今年5月に世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(32)=大橋=からダウンを奪ったWBA世界同級2位のラモン・カルデナス(30)=米国=がメインのスパーリングパートナーを務めた。「カルデナスはすごく勘の良い選手なんで、色々駆け引きを楽しみながら、充実したスパーリングができた。パワーがあるというよりはタイミングの良い選手だった」と振り返り、「結構フレンドリーな選手で、日本語もすごく好き。『ツカレタ、デモ、ダイジョウブヨ』などと話していた」と明かした。
来年5月には東京ドームで中谷と井上の夢の対決が計画されている。カルデナスからの打倒・井上へのアドバイスは「そういうことはなかった」というものの、「次戦に向けて、お互い高め合うパートナーとして練習を積めた。世界ランカーなんで、お互い刺激を与え合って、すごく実りがあったかなっていうふうに思います」と収穫を口にした。
スーパーバンタム級に上げても「普段の体重も増えているので減量幅はそこまで変わらない。食事の変化もそこまでなかった」とし、「より力強くなっているし、スピード感も上がってきていると感じる。スーパーバンタムの体になってきていると思う」と順応への手応えを語った。
WBC世界バンタム級王者だった今年6月、IBF同級王者・西田凌佑(六島)との王座統一戦で6回終了TKO勝ちし、米国で最も権威のある専門誌「ザ・リング」の認定王座となった。ロス滞在中の今月2日(日本時間3日)、同誌のダグラス・フィッシャー編集長がジムを訪問しベルトを贈呈するサプライズがあった。「サプライズで届けてもらって、ロサンゼルスのチームがいる場所で渡してもらえた喜びと、リング誌ベルトを手に取って光栄だなというのが素直な気持ちですね」。スーパーバンタム級でもリング誌ベルトが欲しいか問われると「はい、もちろんです」と即答。同級のベルトは現在、井上が保持する。来年5月の直接対決は、リング誌ベルトも懸けた一戦となる。
また、17日にはロスでのジムメートでもあるWBO世界フライ級王者アンソニー・オラスクアガ(26)=米国、帝拳=が両国国技館で同級4位の桑原拓(30)=大橋=との4度目の防衛戦に臨む。現地に応援に行く予定だという中谷は「今回のキャンプもそうだが、チーム全体で高め合って成長できたと実感している。まずはトニー(オラスクアガの愛称)が17日にあるのでしっかり応援して、次に自分という感じでやっていきたい」と笑顔で話した。
戦績は中谷が31戦全勝(24KO)、エルナンデスが20戦全勝(18KO)。