◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」 慣れ親しんだ京産大ラグビー部に、意外な“新戦力”が加わっていた。レフェリーができる…

◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」

 慣れ親しんだ京産大ラグビー部に、意外な“新戦力”が加わっていた。レフェリーができる女性マネジャーとして入部した加藤風花さん(19)だ。記者は入社から半年は野球取材の日々を送り、スポーツ新聞部に所属した母校のラグビーから遠ざかっていたが、加藤さんの存在は胸を高鳴らせた。上司に売り込み、取材できる機会を待っていた。

 念願の取材が実現したのは11月末のこと。きっとラグビー経験があるのだろうという想像とは全く違って、小柄で日焼けした肌がよく似合うかわいらしい女の子だった。「ラグビーの経験がないのでどこまでいけるか分からないけれど、いつか大学ラグビーのAリーグや大学選手権で主審を務められるようになりたい」。レフェリーの資格は高校時代に取得していたが実践の場がほとんどなかったため、今は対外試合でラインジャッジを行いながら経験を積んでいる。

 取材を進めると、異色さは女性レフェリーというだけではなかった。阪大にも合格していたが、ラグビー部でマネジャーをするため京産大に入学し、今は公認会計士と司法試験合格のために予備校へ通っているという。そんな話を聞いていると、思わず「なんで京産大に進もうと思ったの?」という問いが出た。加藤さんの答えは至ってシンプル。「保育園の頃におじいちゃんが連れていってくれた、京産大の試合がかっこよくて」。ハッとさせられた。何かを選択する時に重要なのは、「好き」という気持ちだけでいいのだ。彼女に出会って、スポーツが大好きで入社した、自分の原点を思い出させてもらえた気がする。(ラグビー担当・藤田 芽生)

 ◆藤田 芽生 ふじた・めい 2025年入社。好きなラグビーのポジションはSH。