立ち技打撃格闘技のRISE(ライズ)は10日までに、「RISE194」(14日、東京・後楽園ホール)で引退式を行う前RI…
立ち技打撃格闘技のRISE(ライズ)は10日までに、「RISE194」(14日、東京・後楽園ホール)で引退式を行う前RISE QUEENアトム級王者宮﨑小雪(22=TRY HARD GYM)の“ラストインタビュー”を公開した。一部抜粋で紹介する。
-(16歳でデビューしてからの)プロキャリア6年を振り返っていかがですか
「結構あっという間でしたね。デビューしてからあっという間に時が過ぎていったように感じます」
-デビューした時は現役生活6年間18戦も試合をやると思っていましたか
「思っていましたね。でも順調に格闘技人生がうまくいくとは正直思っていなくて、もっと苦戦するかなと思っていました」
-若くしてデビューしてまだ若いうちに引退するという競技生活は考えていましたか
「デビューした時はもっと長くやるのかなと思っていました。うまくいかない事も沢山あると思っていたので。だからこそ長くやるのかなと考えていました」
-すごい駆け抜けたなっていう印象もあります。ご自身では、楽しかった競技生活なのか大変なことが多かった競技生活だったのか、どちらになりますか
「やっぱりすごく楽しかった競技生活だったなと思います。練習とかはキツイ事や辛い時間の方が長いんですけど、それでも格闘技人生を振り返った時に1番思い浮かぶのはベルトを取った時のうれしさだったり、自分が勝った時の周りの笑顔だったり、そういうのがパッとすぐ思い浮かぶので、自分にとってはすごく楽しかったなと思える格闘技人生でした」
-引退発表は、周りからの反響はいかがでしたか
「周りからの反響は、SNSなどでいろんなメッセージをいただいて『辞めてほしくない』とか『もっと試合を見たかった』という声をいただく事が多かったです。でもそうやって言ってもらえる事がすごく幸せなので、ありがたいなという気持ちでいっぱいです」
-改めて引退を決めた理由を教えていただけますか
「フィリピンに留学に行って、いろんな国や年齢の方たちと出会って、その国独自の文化を知ったりコミュニケーションを取っていく中で、自分が抱えていた悩みや考えていた事がすごくちっぽけに感じて“世界はすごく広いな”と感じたんですよね。私はずっと格闘技しかしてこなかったので、格闘技のことだけしか知らなかったけど、フィリピンに行っていろいろなことを経験して、もっといろいろなことを知りたいと思って、ワーキングホリデーに興味を持った事がきっかけでした」
-(ワーキングホリデーに行く予定だというニュージーランドでは)良い経験になりそうですね
「1人暮らしもした事がないんですけど、家の契約とかも全部英語でしなければいけないし、自分が何を優先して家を選ばなければいけないのかという部分でも、自分のことを知れるなと思っています」
-引退会見の時に『20代で得た知見』という本を読んで背中を押されたと仰っていました
「その本の1ページに『60代の貴婦人に人生でやり直したいことはありますか?という質問を尋ねました』って書かれていて、その60代の貴婦人さんが仰っていたことが『いつかお金をためてから海外に行こう』とか『いつか英語ができるようになってからこういう事をしたい』とか、それ以外にもこういう事をしたいっていう風に思っていたけど『そのいつかは来ないと知った』『事前完璧主義になるんじゃなくて、足りないものは歩きながら拾っていくしかないからすぐ行動するべき』っていう事を書かれていて、そこに感銘を受けました。私は結構事前完璧主義になっちゃうタイプなので、事前に100%の準備をしてから行動したいタイプなんですけど、それでは遅いなと思って」
-格闘技の話に戻りますが、これまでの戦績は18戦16勝1敗1分けですが、この戦績はどう思いますか
「順調に行った格闘技人生だったなと思います」
-印象に残っている試合はありますか
「やっぱり初めてのタイトルマッチで戦わせていただいた紅絹さんとの試合が自分の中で1番印象に残っています」
-どういう部分で印象に残っているんですか
「プロデビューしてからずっとチャンピオンになるっていう目標を掲げてやってきていたので、それをかなえることができたのはすごくうれしかったですし、あの時の構図として紅絹さんの方がベテランで、経験を積んで修羅場を潜って来た選手VS若手の新人選手みたいな見え方だったと思うんですけど、そこの大きい壁を乗り越える事ができたので、ここでチャンピオンになる事で自信になりました」
-1試合以外は全部RISEで試合をして来ましたが、RISEに対してはどんな思いがありますか
「デビュー戦からRISEに出させてもらったので、今思うと本当に幸せな事だなと思いますし、RISEという価値のある団体に出場する事ができて、その中でRISEのベルトを巻く事ができて幸せだなという風に思います」
-ライバルみたいに意識していた方とかっているんですか
「3回戦っている小林愛理奈選手は、デビューしたのは私の方が早いんですけど活躍していた時期はかぶっているので、そこでのライバル意識とかは常にあったかと思います。K-1とかでいうと、松谷綺選手は自分にとってはライバルみたいな存在ではありました」
-ご自身が巻いていたベルトを、同門の平岡琴選手が巻くところまで来ているということについては
「うれしいですね。同じ階級だったのでお互いに言ったりはしていないですけど、遠慮とかは多少あったと思うんです。それを何の遠慮もないまっさらな状態で100%で勝ちにいく事ができるし、琴ちゃんがずっとRISEのベルトを目指してやってきていたのは知っているので、その思いが本当に報われる時が来たなと思います」
-今、戦っている女子ファイターたちにアドバイスなどはありますか
「昔からそうだとは思うんですけど、やっぱり男子選手の方が注目を浴びることが多い競技だと思いますし、迫力も男子選手の方があるのかなとは思うんですけど、女子選手でも魅せられる選手は多いと思うし、今後どんどん若い選手たちも花が咲いてくる時期になってきます。そういう選手たちが1人でも多くの人に“女子格闘技もすごいんだ”っていうことを伝えられるような選手になってほしいという希望があります」
-今まで応援してくれたファンの皆さまにメッセージをお願いします
「今まで本当に沢山の応援をありがとうございました。練習とかでも辛い時が沢山あったんですけど、そういう時に思い浮かぶのは勝利した時の周り周りの方々が喜ぶ姿でした。その姿を想像して頑張ろうと踏ん張る事ができていました。皆さんの応援がなかったら私はくじけていたと思うし、もっと戦績が悪かったりとか、連勝をする事もできていなかったと思うので、本当に沢山の温かい応援に支えられてここまで突っ切る事ができました。ありがとうございました」