<AFCチャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)神戸2-2成都蓉城(中国)>◇9日◇1次リーグ東地区◇第6節◇ノエスタ…

<AFCチャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)神戸2-2成都蓉城(中国)>◇9日◇1次リーグ東地区◇第6節◇ノエスタ

ヴィッセル神戸が吉田孝行監督(48)を劇的ドローで送り出した。

アジア・チャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)東地区の第6節で成都蓉城(中国)と対戦。前半18分にFW武藤嘉紀のゴールで先制しながら、同アディショナルタイムと後半32分に成都FWフェリペ・シウバに決められて逆転を許す嫌な展開。それでも同45分にFW佐々木大樹がPK獲得すると、これを自ら決めて追い付いた。

来季の清水エスパルス監督就任が決まっている吉田孝行監督は、神戸での最終戦を「勝って終わりたかったが、最後よく追い付いてくれた。勝ち点1っていうのは結果的には非常に大きいと思うし、ACLEを首位で次の監督に託すことができたので良かった」と振り返った。

試合後には、選手やスタッフが指揮官への感謝を伝えるTシャツをそろって着用。獲得したタイトルの数と同じ3度胴上げもされ「Tシャツをみんなが着るっていうのは知らなかったんで、少し照れくさいというか、恥ずかしかった」と苦笑いしながらも、「本当にヴィッセル神戸に関わる皆さんに感謝したい」と思いを伝えた。

試合後のロッカールームでは、選手への感謝を伝えたという。「自分が基準を設けて、厳しい要求にも応えてくれようとみんな頑張ってくれた。いつもミーティングで言っていることを試合前にみんなで言い合って、互いを高め合って、みんなで成長できたと伝えた」。さらに共闘して戦った日々を振り返って「人生においてこの3年半でタイトル3つ取れたっていうのは、自分にとってもみんなにとっても誇れることだし、一生忘れることのないことだと思うと伝えた」と明かした。

来季は清水エスパルスの監督として、神戸と対戦することになる。「間違いなくヴィッセルは優勝争いするチームだと思うし、タイトル以外求められていない強いチームというのは変わりない」と警戒し、早くも新天地での指揮に向けて「今日は神戸の一員としてヴィッセルのことを思いながら過ごして、明日からは行き先のチームのスタッフと、選手の編成含めてどうやっていくのかを考えていかないといけない」と意欲を語った。

スタジアムに集まった観衆に加え、会見後に報道陣からも拍手で送られた指揮官は、神戸での輝かしい3年半を終え、新たな挑戦に向けて動き出す。【永田淳】