<AFCチャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)神戸2-2成都蓉城(中国)>◇9日◇1次リーグ東地区◇第6節◇ノエスタ…
<AFCチャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)神戸2-2成都蓉城(中国)>◇9日◇1次リーグ東地区◇第6節◇ノエスタ
ヴィッセル神戸FW武藤嘉紀(33)が、苦しんだシーズンの最後をゴールで締めくくった。
アジア・チャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)東地区の第6節で成都蓉城(中国)と対戦。右ウイングで先発した武藤は前半18分、幸先よく先制弾を決めた。ペナルティーエリア内でFWエリキからパスを受けると、巧みなトラップで反転して右足でフィニッシュ。吉田孝行監督(48)の神戸でのラストマッチとなった一戦で「今季は非常にけがも多く、ふがいないシーズンを送ってしまった。何がなんでも自分の得点でタカさんを送り出したいっていう気持ちがあった」という思いを結果で示した。
プレーヤー・オブ・ザ・マッチ(POM)に選出されて参加した会見では、吉田監督への思いが止まらなかった。「これだけ個が強くて、経験がある選手たちが集まってくるチームは、Jリーグでもほとんどない。この選手たちを1つにまとめて、2連覇、2冠を成し遂げたっていうのは、本当にタカさんだったから。彼がヴィッセル神戸を救って、強くしてくれたっていうのは、皆さんご存じの通り変わらない事実」。ともに戦った指揮官の3年半の功績をたたえた。
自身にとっては悔しさが残る1年になった。腰を痛め、手術も受けたことで、離脱が多くなったシーズン。この日のゴールは今季公式戦3点目。リーグでは19試合1得点に終わり、MVPに輝いた24年の37試合13得点から大きく数字を落とすことになった。そんな1年を「本当に悔しいシーズンだったし、けががあったとはいえ、これだけ結果を残せなかったシーズンは長い間なかった」と振り返った。
終盤になって状態を上げてきただけに、ここでのシーズン終了は惜しくも感じられるが、その手応えが来季につながると信じている。「『年もあって終わっていった』とは絶対言われたくないし、次のシーズンは何が何でも結果を残し続けて、しっかりと復活して、ヴィッセル神戸のタイトルをまた取り戻す。得点、アシストを量産して、僕自身の価値をまだ高める。悔しさを活力にして、さらに努力して自分を追い込んで、もっといい状態にして、成長していきたい」。背番号11は来季の完全復活と、神戸のタイトル獲得を約束した。【永田淳】