◆第77回阪神JF・G1(12月14日、阪神競馬場・芝1600メートル) またとない夢をかなえるチャンスだ。ミツカネベネ…

◆第77回阪神JF・G1(12月14日、阪神競馬場・芝1600メートル)

 またとない夢をかなえるチャンスだ。ミツカネベネラで開業28年目、9度目の挑戦で初G1制覇を狙う鈴木伸調教師は、まな弟子とのタッグに胸を高ぶらせている。

 手綱を託す津村とのG1挑戦は、23年の朝日杯FSのサトミノキラリ(6着)以来、2度目となる。今年10月で66歳の誕生日を迎えたトレーナーは「僕もそろそろ引退が近いので、最後のチャンスになるのかもしれないと思う。期待できそうな馬で、一番最初の弟子と結果が出てくれたら一番うれしい」と、自然と声のトーンが上がった。

 その思いは鞍上も一緒だ。04年3月に鈴木伸厩舎からデビューして、07年8月にフリーとなったが、その後も日頃から調教を手伝うなど固い信頼関係は変わらない。津村は「前走(アルテミスS)で2着に来た時点で『先生、G1に行きましょう』と僕から言ったくらいですし、一緒に行けるのはうれしいこと。良い結果で恩返しができれば」と言葉に熱を帯びる。

 大きなステップとなった前走は、好位4番手から直線で外から長く脚を使って2着と能力をアピールした。テンションが高ぶりやすい面が課題で、指揮官は「先週までに仕上げて、今週は追い切らないでいけば落ち着いていけると思う。木曜日に津村を乗せて、そんなにはやらない」と策を練っている。以心伝心の絆は大一番で大きな強みとなる。(坂本 達洋)