<プロボクシング:日本ライトフライ級王座決定戦>◇9日◇東京・後楽園ホール日本ライトフライ級1位で元王者の川満俊輝(30…
<プロボクシング:日本ライトフライ級王座決定戦>◇9日◇東京・後楽園ホール
日本ライトフライ級1位で元王者の川満俊輝(30=三迫)が、同級2位の野田賢史(30=金子)との打撃戦を4回TKOで制して王座に返り咲いた。20年10月に6回戦で対戦して4回TKO勝利を収めている野田と、初回から頭をつけて打ち合った。3回以降は川満が暴風雨のような連打で野田をロープに詰めて圧倒。4回の開始ゴングと同時に怒濤(どとう)のラッシュで野田をロープにくぎ付けにすると、レフェリーが割って入って試合を止めた。
8カ月ぶりの再起戦で再びベルトを巻いた川満は「この舞台に戻ってこれて本当に感謝しかない。教えてくれているボクシングを頑張って忠実に再現しようと思っていたけど、まだまだ。もっと強くなれたらいいと思う」と、目に涙を浮かべて感激に浸った。
4月に現WBA世界同級王者の高見亨介(帝拳)に6回TKOで敗れて3度目の防衛に失敗した。一方で川満から王座を奪った勢いのまま高見は世界王座へと駆け上がった。「高見くんの世界戦も見ました。強くて、自分はまだまだと感じたが、支えてくれる人がいるのでこのまま終わるわけにいかないと思った」(川満)。
高見に奪われた日本王座を取り戻し、再び世界へ視線を向けることができた。「日本タイトルを取ることの厳しさを知っていたので、本当に気合を入れてやってきた。高見くんに負けて世界は遠かったんだと思ったけど、またこれから頑張っていきたい」。壮絶な激闘の余韻が残る会場から、激励の拍手が沸き起こった。【首藤正徳】