<カーリング:ミラノ・コルティナオリンピック(五輪)最終予選:日本10-5トルコ>◇9日◇カナダ・ケロウナ【ケロウナ(カ…

<カーリング:ミラノ・コルティナオリンピック(五輪)最終予選:日本10-5トルコ>◇9日◇カナダ・ケロウナ

【ケロウナ(カナダ)=飯岡大暉】カーリング女子日本代表(世界ランキング5位)のフォルティウスがプレーオフ(PO)進出を決めた。第5戦で強敵トルコを10-5で撃破。無傷5連勝で、POに進む3位以内を確定させた。初五輪へ5度目の挑戦となるスキップ吉村紗也香(33)は大舞台へ前進。1次リーグ(L)残り2戦も勝利し、有利な2位以内での突破を狙う。男子日本代表SC軽井沢クは第4戦で韓国に8-5で勝ち、第5戦でフィリピンに7-9で敗戦。3勝2敗で、2大会ぶり五輪へ厳しい状況に追い込まれた。

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自信があふれ出ていた。2-0の第2エンド(E)。フォルティウスが6失点の大ピンチを背負った。円の中に相手の赤い石が6つ。スキップ吉村は動じなかった。落ち着いて黄色い石を真ん中へ。3失点にとどめる防波堤を作った。「相手にいいポジションを取られて6点かなと。なんとか最少失点に防げた」。第3Eで3点奪ってひっくり返した。

しぶとくなった。トルコには3月の世界選手権で3-4で惜敗。2点リードから逆転されていた。この日も2-0から2-3へ。PO進出を争うライバル。実力は把握していた。「ショットを簡単に決めてくる。プレッシャーをかけるショットを投げさせることが必要だった」と圧をかけ続けた。同時に、己にも集中した。世界選手権では積極的な姿勢が影をひそめ、4勝8敗で五輪切符を逃していた。反省を生かし「自分たちの戦いさえできれば、絶対勝てる」と胸に刻んだ。

勝利の味を知った。2月に日本選手権を制覇。9月の日本代表決定戦では、五輪2大会連続メダルのロコ・ソラーレを破った。勝つたびに自信が芽生えた。「自分たちは本当に調子が今すごくいい。『攻め気』を持ちながら、自分たちのスタイルを最後まで貫き通そうと臨んだ」。トルコ戦では、両軍最高のショット成功率94%を記録。高難度の投球が求められるポジションながら高い数字をマークした。「1個1個のショットに集中できている。今はもう何のショットが来ても決まる自信がある」。心の安泰が結果に結びついた。

落とし穴を知っている。21年に行われた22年北京五輪代表決定戦では2連勝から3連敗。王手からどん底に突き落とされた経験がある。5連勝しても、気を抜かない。1次Lは残り2戦。2位以内に入れば、POを有利に戦える。「予選1位で上がりたい。さらに精度高く、1つ1つ丁寧にやりながら、勝利に向けて残り2戦頑張りたい」。自信を胸に、無敗街道を進む。