◆プロボクシング ▽WBO女子世界スーパーフライ級(52・1キロ以下)タイトルマッチ10回戦 〇晝田瑞希 (判定) グロ…

◆プロボクシング ▽WBO女子世界スーパーフライ級(52・1キロ以下)タイトルマッチ10回戦 〇晝田瑞希 (判定) グロリア・ガジャルド●(11月22日=日本時間23日、米国カリフォルニア州ロングビーチ)

 プロボクシングWBO女子世界スーパーフライ級王者・晝田(ひるた)瑞希(29)=三迫=が9日、東京・練馬区の所属ジムで6度目の防衛成功記者会見を開いた。

 晝田は11月22日(日本時間同23日)、米国カリフォルニア州ロングビーチでグロリア・ガジャルド(31)=メキシコ=の挑戦を受け、ジャッジ3人ともフルマークをつける100―90×3の3―0でV6を達成。2021年10月のプロデビュー以来、無傷の10連勝(2KO)を決めた。世界ベルトと、米国で最も権威のある専門メディア「THE RING」認定ベルトを並べ、加藤健太チーフトレーナーとともに会見に臨んだ晝田は「6度目の防衛がかかるWBOのベルトに加え、リング誌のベルトがかけられていて、色んな意味で今までで一番、メンタル的にプレッシャーがかかっていた。無事に勝つことができました」と笑顔で報告した。

 リング誌は1922年に米国で創刊された専門誌(月刊)。同誌が制定したパウンド・フォー・パウンド(PFP、全階級を通じての最強ランキング)は最も権威があるとされる。各階級でも認定ベルトが制定されており、主要4団体の枠を超えてランキングされるため、選手の中では階級最強の証しとして重く見る選手も少なくない。「最初、4度目の防衛戦の時にかけられていたのは知らなくて、ロスで(10月に)ダグラス・フィッシャー編集長にサプライズでベルトを贈られた。自分がもらえるなんて意識していなかった。本当に驚いたし、光栄だった。編集長に「(8戦目で認定王者になったのは)最速だから」と言われた。すごく幸せで、もっと強くならないと、と思う」と晝田。左手の薬指には5度防衛するともらえるWBOの記念リングが光っており、改めて気を引き締めた。

 今年は世界戦4戦全勝。「1年で世界戦4試合は具志堅さん(用高=元WBA世界ライトフライ級王者)に続いて2人目と言われて…。とにかくがむしゃらで生き抜こうと必死でやった1年だった」と晝田。米国では名トレーナーのマニー・ロブレス氏から手ほどきを受けているが「瑞希は試合ごとに強くなっている」と言われるそうで、勝利を重ねるごとに知名度と注目度が上がっている。「戦いたいと言われることが増えてきて、狙われているな、って」とニッコリ。実際、自身のSNSには直接、対戦希望を伝えてくる選手もいるという。「いい意味でプレッシャーになっている。勝ち続けられるように。何より自分に勝たないと」

 V6戦はジャッジ全員がフルマークをつけたが「あと半歩でKOだった。レフェリーが止めてもおかしくないタイミングも有った」(加藤トレーナー)というほど完璧な勝利だったが、晝田自身は「来年はKO勝ちをしたい。来年はぶっ倒したいです」とさらに強さを見せたいと思っている。「来年は統一戦だという雰囲気もあるし、そろそろやりたいなという気持ちも。いけるところまで行きたい」とさらなる高みを見ていた。