スポーツ報知は、鹿島の9季ぶりVの軌跡を振り返る企画として「鹿島番記者座談会」を開催した。エルゴラッソの田中滋さん、茨…
スポーツ報知は、鹿島の9季ぶりVの軌跡を振り返る企画として「鹿島番記者座談会」を開催した。エルゴラッソの田中滋さん、茨城新聞社の海老澤裕太郎さんを迎え、本紙・岡島智哉記者を交えて激論を交わした。後編では、選手の活躍に焦点を当てて1年間を振り返った。
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◆MVP◆
岡島「リーグMVPは鹿島から選出されると思いますが、ここは予想ではなく、各々の基準で選びましょう!」
田中「3人ぐらい選びたいですが…やっぱり【早川友基】かな。もちろん、レオセアラ選手がゴールを決めたから勝てた試合も多かったですが、早川選手がいなかったらと思うとゾッとする試合が多い」
岡島「自分も【早川友基】抜きに今季の鹿島は語れないかと。彼がすごいのは『それは止めてよ』って失点がないこと。そして『触りはしたけど、惜しい』ってのもない。触れるシュートは全部止めたし、その範囲が広い」
田中「相手GKが早川選手だったら勝ってないだろうなって試合、結構あった気がします。早川選手がいるってことは、すごいことなんだなって思います」
海老澤「自分は【鈴木優磨】を推します。開幕前に『鹿島らしさって何だろう?』って再定義した話がありましたが、ピッチでそれを体現してたのは彼だったなと」
岡島「ゴール数は去年より減ったけど、彼の評価って、チームの順位で判断されるべきだなって思います」
海老澤「どうやったら勝てるのかを、彼がピッチにいるからこそ、周りも体現できるんですよね」
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◆陰のMVP◆
岡島「候補がいすぎて困りますが…【キムテヒョン】に一票で。こんなにスーパーな選手だとは思わなかったというのが正直なところで」
海老澤「試合を重ねるごとに、顔つきが変わっていきましたよね」
岡島「キャンプで『相当能力高いな』って思ったけど、鳥栖でレギュラーじゃなかったってことは、ポカが多い選手なのかな、と。で、蓋を開けたら全然ポカしない(笑)。見事でした」
海老澤「【舩橋佑】もよかったですよね。『鹿島のレジスタ』と呼ばれる存在になるとは。昨季を見ていた方は想像できなかったと思います」
岡島「練習ではボランチすらやらせてもらえず…」
田中「彼ほど下積みが長い選手もいないというか。あれだけサブが続いてもモチベーションを保ち、しっかりやってきたことはすごい」
海老澤「彼の成長があったからこそ、鬼木監督の戦術が浸透していった側面もあったかと」
田中「やはり自分は【小池龍太】になりますかね」
岡島「大本命!ですね」
田中「今までの鹿島に足りなかった要素を、全て持ってきてくれた選手かなと」
岡島「ピッチ内外で貢献がありましたよね」
田中「鹿島が強い時にはいつも、気が利いて、チームのために行動してくれる人がいた。先頭に立つ選手はそろっている中で、そこを支えられる人がいたことは大きかった」
岡島「ピッチでは両SB、ボランチ、サイドハーフも両方やりましたね」
海老澤「新潟戦のゴールも印象的でした」
田中「これから強くなろうってチームに彼がいたことは本当に大きかったと思います」
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◆余談◆
海老澤「今季を語る上で【松村優太】は外せないですよね」
岡島「終盤戦は彼の投入待ちの試合ばかりで…(笑)。鬼木監督は、東京Vからのレンタルバックを強く希望していたと聞きました。でも鬼さんにとっても、想像以上の活躍だったかもですね」
田中「今季台頭した【舩橋佑】も【津久井佳祐】も、出番がない時期に腐ることなく『ちゃんとやってきたので』ってサラッと言うんですよね。たくましい」
岡島「前半戦の首位ターンはすごく大きかったと思っていて。となれば【安西幸輝】の活躍にも触れずにはいれません」
田中「町田戦(1〇0)の【田川亨介】のゴールは『つながり』をみんなが持ってフィニッシュまでいった素晴らしいゴールでした」
岡島「昨夏加入の【田川亨介】、【三竿健斗】、【ターレスブレーネル】は、ポポさんが加入を望み、吉岡さんが獲得した選手。もし鬼木&中田浩二体制だったら、オファーに至らなかった選手たちかも。そういう選手たちの活躍は胸が熱くなるものがありました」
海老澤「個人的なベストゴールは岡山戦(2〇1)の【ターレスブレーネル】ですね。あの夜の酒は美味しかった!(※注・海老澤記者は鹿島番記者随一の酒好き)」
岡島「国立の川崎戦(2〇1)での【田川亨介】の決勝点が個人的には1番。爽快感あるゴールでした。あの夜の烏龍茶は美味しかった!(※注・岡島記者は鹿島番記者随一の下戸)」
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予定時間を大幅に超過し、座談会は無事終了。次は22冠目獲得の際に、やりましょう。田中さん、海老澤さん、ありがとうございました。(進行・構成 岡島 智哉)