広島の羽月隆太郎内野手(25)が8日、来年1月にソフトバンクの周東佑京内野手(29)らと種子島で合同自主トレを行うこと…
広島の羽月隆太郎内野手(25)が8日、来年1月にソフトバンクの周東佑京内野手(29)らと種子島で合同自主トレを行うことを明かした。昨オフは周東が手術を受けた影響もあり、参加するのは2年ぶり。3年連続盗塁王、2年連続ベストナインを獲得するなど、走攻守にわたって常勝軍団を引っ張るスターから“日本一イズム”を吸収する。
日本一の俊足から全てを盗む。レギュラー奪取に燃える羽月が、来年の1月に種子島で行われる“周東塾”へ参加する。「足のスペシャリストとはいえ、試合に出たら化け物みたいな1番打者。優勝、日本一もとっている。いろんなことを聞きたい」と貪欲に学ぶ姿勢を示した。
2年ぶりに弟子入りする師匠の実績は申し分ない。今季は死球の影響で離脱した期間もあったが、96試合で打率・286、3本塁打、36打点を記録。35盗塁で3年連続4度目の盗塁王を獲得し、2年連続2回目のベストナインにも選出された。チームは5年ぶりの日本一も達成。「あの数字で(打順が)1番なのは脅威。すごいっす」と憧れのまなざしを向ける。
常勝軍団をけん引するスピードスターから学ぶのは、技術だけではない。「プロ野球は長期戦なので、そこには心理戦も入ってくる」と力説。「勝つために何をしたのか。戦略や心構えも聞きたい」。ただ走る打つの技術面だけではなく、1年を通じてどのように勝利に貢献していくのか-。周東から“日本一イズム”を吸収し、チームに還元する構えだ。
自身は今季、自己最多を更新する74試合に出場し、打率・295、17盗塁とキャリアハイのシーズンを送った。「やってきて一番充実した1年だった」と振り返る一方で、開幕前に掲げていた盗塁王には届かず。「今の出場試合数では厳しい」と現実を受け止める。
レギュラー奪取のため、今秋は守備練習に多くの時間を割いた。「バットはあまり振っていない」と振り返るほど、三好コーチと守備の基礎を一から見直し。「スタメンで出られたら、盗塁王を狙える」と意気込んでいる。
今季のチーム総得点は441得点でリーグ5位。チーム打率が同3位の・246だっただけに、安打を得点につなげられない場面が目立った。その一因となっているのが盗塁数。かつては機動力を武器にしていたカープだが、今季はリーグ5位の57盗塁。優勝した阪神の100盗塁と大きな差がある。
「僕が40盗塁したらチームが変わる。まずは試合に出られないと何も始まらないので、そこが第一ですかね」と羽月。周東との時間を経て、レベルアップした姿で春を迎える。
◆広島選手のセ盗塁王 過去11人が18度獲得している。初は53年金山次郎の58盗塁。回数最多は3度で、高橋慶彦(79、80、85年)野村謙二郎(90、91、94年)緒方孝市(95~97年)の3人。直近は17年田中広輔で、このタイトルから8シーズン遠ざかっている。