元日本代表DFの槙野智章氏(38)がJ2藤枝の新監督に就任することが8日、決定的となった。退任する須藤大輔監督の後任。…

 元日本代表DFの槙野智章氏(38)がJ2藤枝の新監督に就任することが8日、決定的となった。退任する須藤大輔監督の後任。複数の関係者によると契約交渉は大詰めを迎え、近日中にも合意、発表となる見通し。同氏にとって初のJクラブ監督となる。Jリーグや日本代表でも明るいキャラクターで知られ、引退後は解説者、タレントとしてお茶の間をわかせてきた“お祭り男”が、監督として4年ぶりにJの舞台に帰ってくる。

 槙野氏はこの日、Jリーグの監督に必要な「プロライセンス」を取得した。広島や浦和、神戸で活躍した現役時代は、自らを「DFW」(DFとFWを足した造語)と称し、強じんなフィジカルを誇る守備で相手の壁となる一方で、積極的な攻撃参加でJ1通算46ゴールを記録した。抜群のコミュニケーション能力でチームのムードを高める一面もあった。

 現役時代から、引退後は監督を目指すと公言し、浦和時代のペトロヴィッチ監督ら数々の名将の指導方法に触れていた。22年の現役引退後、解説、タレント業と並行して24年より神奈川県1部の品川CC監督に就任。指導者として経験を積んだ。かつては、2007年U―20W杯に出場したMF柏木陽介らとともに「調子乗り世代」とも呼ばれた槙野氏。そんな世代の先陣を切り、監督としてJの舞台に打って出る。藤枝をJ1初昇格へ導く。

 ◆槙野 智章(まきの・ともあき)1987年5月11日、広島市生まれ。38歳。広島の下部組織から2006年にトップ昇格。10年冬にドイツ1部ケルン、12年に浦和へ移籍。22年に神戸加入、同年に現役を引退。23年に神奈川県社会人2部品川CCでテクニカルアドバイザー兼セカンドチーム監督を務め、翌年同1部に昇格したトップチームのコーチに就任。J1通算415試合46得点。10、15、16年にJ1ベストイレブン。日本代表では18年ロシアW杯メンバー。国際Aマッチ38試合4得点。妻は女優の高梨臨。

 ◆藤枝MYFC 2009年創立。10、11年に東海1部リーグを連覇してJFLに昇格。13年にJリーグ準加盟が認められ、J3昇格。22年にリーグ2位でJ2に昇格を果たした。J2で3季目となる今季は9勝12分け17敗で15位。本拠地は藤枝総合運動公園サッカー場。チーム名は「わたしの(MY)」と「フットボールクラブ、フェイバリットシティ、フジエダシティ(FC)」を合わせた造語。主なOBに元日本代表FW森島康仁らがいる。