◆明治安田J1昇格プレーオフ2025▽準決勝 徳島1―1磐田(7日、鳴門大塚) J2・5位のジュビロ磐田は準決勝で引き分…

◆明治安田J1昇格プレーオフ2025▽準決勝 徳島1―1磐田(7日、鳴門大塚)

 J2・5位のジュビロ磐田は準決勝で引き分け、1年でのJ1復帰はかなわず、終戦した。アウェーで同4位の徳島と対戦。前半24分にFW佐藤凌我(26)のゴールで先制した。しかし、猛攻を浴びながら守り続けた後半37分に失点。その後は攻め込んだものの1―1で引き分け、リーグ戦成績上位の徳島が決勝に進んだ。

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 後半アディショナルタイム8分。FKを得た磐田は全員が徳島ゴール前に飛び込んだ。だが相手DFに当たって外へ。CKかと思われたが、試合終了を告げる審判の笛が鳴る。GK川島永嗣主将(42)が抗議したものの届かない。「1年でのJ1復帰」が消え、イレブンは肩を落とした。

 勝利しか許されない状況で、前半24分に先制。公式戦5試合ぶりに先発した佐藤が、リーグ最少失点(24点)を誇る徳島の堅い守備をこじ開けた。背番号20は駆けつけた約2000人のサポーターが陣取る応援席へ走り、喜び合った。

 後半は必死の守り。完敗した10月の対戦(0●4)で、2ゴールを許したFWルーカスバルセロスに仕事をさせない。合計シュート数は3対15と、ほぼ自陣でプレーされながら、全員が集中力を切らさず、体を張り続けた。

 だが残り10分を切った後半37分。左からのクロスから無情の同点弾がネットを揺らす。「必要なのは勝利だった。悔しい」と佐藤。DFヤン・ファンデンベルフ(31)も「狙い通りの試合ができていたのに」と悔しがった。

 安間貴義監督(56)が9月末に就任してチームは変わった。ファウルに倒れて痛がる選手はいなくなり、終盤の得点も増えた。5勝1分け1敗で逆転プレーオフ進出もなしとげた。「強度が上がり、団結力も高まった」とMF倍井謙(24)。だからこそ勝ちたかった。

 来季は、安間監督続投かJ2山口で指揮を執った経験を持つ志垣良コーチ(45)の監督昇格が有力視される。川島が「この悔しさを強さに変える」と言うように、1年半後の昇格を目指して再スタートを切る。(里見 祐司)