阪神タイガースOB会長の掛布雅之氏(70)が7日、大阪市北区の大阪ステーションシネマで、11月28日から公開中の映画「栄…

阪神タイガースOB会長の掛布雅之氏(70)が7日、大阪市北区の大阪ステーションシネマで、11月28日から公開中の映画「栄光のバックホーム」の舞台挨拶を行った。23年に脳腫瘍のため28歳で亡くなった元阪神外野手、横田慎太郎さんの、野球を愛し、病と闘いながら懸命に生きた日々を描いた作品で、大ヒットしている。

2軍監督、打撃コーディネーターなどの立場で横田さんの成長を見守った掛布氏は、映画のタイトルとなった2軍戦の引退試合のバックホームを「最後のプレーは神様が与えた奇跡じゃなくて、横田が勝ち取った奇跡。絶対に悔いを残す1日を残してはいけないと継続したことが、最後の奇跡を起こさせたとぼくは思っています」と、居合わせた観客、首脳陣、選手らが息をのんだプレーを思い起こした。

入団時から逸材ぶりを見抜き、横田さんには「1人でやる練習がめちゃくちゃ大切、1人の野球ができないと1軍で活躍できない、自分1人に強くなりなさいと彼には言ってきた。そうしたら、坂本が自主トレの時に『1人に強くないとダメ』と言ってたんです。1人の継続の大切さを横田は残したと思いますね。長く忘れてはいけない。阪神の伝統と言っても笑われない。大きなものを横田は残してくれた」と、リーグ最強となった今に通じるものを振り返った。

「横田の笑顔をもっともっと見続けていたかった」と亡き教え子をしのんだ掛布氏。思い出はつきなかった。