◆明治安田 J1リーグ▽最終節 京都2―0神戸(6日・サンガスタジアム) 京都がホームで神戸を2―0で下し、クラブ史上最…
◆明治安田 J1リーグ▽最終節 京都2―0神戸(6日・サンガスタジアム)
京都がホームで神戸を2―0で下し、クラブ史上最高順位となる3位で今季の戦いを終えた。前半38分にFWマルコトゥーリオ(27)、後半32分にFWラファエルエリアス(26)がゴール。昨年までリーグ2連覇の神戸を無得点に封じた。一時はクラブ初となる首位に立ち、優勝争いも演じたシーズンを、2連勝で締めくくった。
未来につながる、大きな一歩だ。昨季まで連覇の神戸に完勝し、3位が確定。試合開始からテンポよく攻め込み、主導権を握って相手の強みを出させなかった。2点目を挙げたラファエルエリアスは「力があることは十分見せつけられた」と、クラブの歴史を塗り替える今季の戦いを振り返った。
終了の長い笛が鳴った時、曺貴裁(チョウキジェ)監督(56)は涙していた。「神戸と最終戦で優勝を懸けて戦えたら」と何度も話してきたシーズン。勝ったものの、脳裏に浮かんだのは「悔しさ」だった。「感情を揺さぶるような、感傷的になる場面だった」。優勝を逃した事実と、勝ち取った3位。交錯する思いが、涙となって頬を伝った。自身も落涙しながら指揮官と抱き合ったDF宮本は「3位という形で終われて、曺貴裁という人間の素晴らしさをまた世に発信できたかなと思う」とコメント。選手、スタッフ、スポンサーにサポーター…。曺監督が「全ての人でつくりあげた」と振り返った軌跡は、悔しさとともに新たな歴史として刻まれた。
来季の続投が決まっている指揮官は、試合後のセレモニーで「これをメモリアルな日にしてはいけないと思っています」と宣言した。主将のMF福岡も「一番悔しいシーズンだった」と言い切る。来季は全員で、うれし涙を流すつもりだ。(森口 登生)