5日(日本時間6日)、米国で行われた26年北中米W杯の組み合わせ抽選会で日本は1次リーグ(L)でF組に入った。オランダ…

 5日(日本時間6日)、米国で行われた26年北中米W杯の組み合わせ抽選会で日本は1次リーグ(L)でF組に入った。オランダ、チュニジア、欧州プレーオフ(PO)Bの勝者(ウクライナ、スウェーデン、ポーランド、アルバニアのいずれか)と同組。決勝トーナメント(T)進出へ最大のライバルとなるオランダは、日本代表MF遠藤航(32)と同じリバプールの3人が主力だ。英国でリバプールを中心に取材するスポーツ報知の森昌利通信員が、“オレンジ軍団”の現在地を「見た」。

 オランダの中心メンバーは、くしくもリバプールのレギュラーと重なる。まずは主将のDFファンダイク。世界最高のセンターバックと呼ばれて久しい存在だ。そして昨季、遠藤から奪うようにレギュラーに定着したフラフェンベルク。中盤の底から最前線に飛び出す推進力と、ミドルシュートの決定力が魅力の23歳MFだ。さらには最前線の左サイドから中央に切り込み、振り切る右足が武器の193センチ大型ストライカー、ハクポがいる。主力には及ばないが、快足DFフリンポンを含め、4人のリバプール勢が立ちはだかる。

 さらに、今夏マンチェスターCに約91億円の移籍金で加入した万能なMFラインデルス。スペイン1部バルセロナの中盤で核となるMFデヨングら、トップクラブで活躍する実力者は多い。22年カタールW杯は準々決勝でPK戦の末にアルゼンチンに屈したが、大会後に就任したクーマン監督の下、24年欧州選手権は4強入り。今回の欧州予選は無敗突破と、過去3度の準優勝を誇る強豪であることは間違いない。

 しかし、つけいる隙もある。今年7月に34歳となったファンダイクはスピードの衰えが指摘され、今季のリバプール不振の元凶とも言える。フラフェンベルクの成長には目を見張るが、まだ経験値に乏しく、ハクポにしても、まだプレミアリーグでスーパースターのオーラをまとっていない。16年欧州選手権、18年ロシアW杯は出場を逃しており、欧州内では復権途上の見られ方をしている。

 肌感覚で言えば、フランス、スペインが欧州の横綱。日本がこの2か国を避けられたことは朗報だろう。大関で予選8戦8勝のイングランドや、同じく8戦全勝で台風の目となった怪物FWハーランドを擁するノルウェーと同組にならなかったことも大きい。

 もちろん前回王者のアルゼンチンを回避したのも幸運だし、W杯になれば強烈な存在感を示しそうなブラジルとの対戦も嫌だ。無論、油断は大敵だが、現時点でオランダに、かつて優勝候補だった頃の実力は備わってはいない。日本にとって最悪の抽選ではなかった、というのが欧州から見たF組の感想である。