◇フィギュアスケート グランプリ(GP)ファイナル 最終日(6日、名古屋・IGアリーナ) 女子フリーが行われ、ショートプ…
◇フィギュアスケート グランプリ(GP)ファイナル 最終日(6日、名古屋・IGアリーナ)
女子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)3位から出た初出場の中井亜美(17)=TOKIOインカラミ=が、146・98点、合計220・89点で日本勢最上位の銀メダルを獲得した。SP5位の坂本花織(25)=シスメックス=が合計218・80点で3位。日本勢上位2人が来年2月のミラノ・コルティナ冬季五輪代表に前進した。アリサ・リュウ(20)=米国=が合計222・49点で優勝した。
ニューヒロインが、ミラノ五輪シーズンに躍動した。表彰台が確定すると、中井は目を丸くして破顔した。今季シニアデビューした17歳は初のGPファイナルでフリー2位の146・98点、合計220・89点で銀メダル。日本女王の坂本、昨季世界選手権で銅メダルの千葉百音らが出場する中、日本勢最上位。「2位という結果を頂けてすごくうれしい」。五輪代表に大きく前進した。
憧れの浅田真央さんがスタンドから見守ったフリーで、冒頭に浅田さんの代名詞のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を成功させた。この日の公式練習では失敗が続いていたが、ここ一番での勝負強さを発揮。「トリプルアクセルも本番で決めることができて、すごくうれしい」。3回転の連続ジャンプでミスしても、その後、他のジャンプを連続ジャンプにするなど機転も利かせて2位に入った。
5歳の頃、浅田さんが2010年バンクーバー五輪で銀メダルを獲得した当時の映像を見てフィギュアスケートを始めた。トリプルアクセルは、5歳から練習した。小学4年の時、スケート教室で浅田さんに初めて会い、(片足ターンの)ツイズルを教えてもらったことは鮮明に覚えている。浅田さんの前で、大技を成功させた中井は「アナウンスで来ていると知ってすごく驚いたし、浅田さんの前で演技する機会は少ないし、最後かもしれない。浅田さんの前でトリプルアクセルを決めたい気持ちがあった」と声を弾ませた。
GPシリーズのデビュー戦、第1戦のフランス大会で鮮烈V。ファイナル初出場の表彰台は、昨季千葉の2位に続いた。19日からは、五輪切符を懸けた全日本選手権に挑む。優勝すれば文句なしの一発内定。表彰台で、夢舞台はほぼ当確だ。「少しずつ、五輪が近づいていることは感じている」。シーズン当初は思い描けなかった「夢から目標」となった舞台へ、一気に突き進む。(大谷 翔太)