第105回全国高校ラグビー大会(27日開幕、大阪・花園ラグビー場)の組み合わせ抽選が6日、大阪市内で行われ、3回戦まで…

 第105回全国高校ラグビー大会(27日開幕、大阪・花園ラグビー場)の組み合わせ抽選が6日、大阪市内で行われ、3回戦までの対戦カードが決まった。3年ぶり2度目出場の南北海道代表・立命館慶祥は、1回戦(28日)で仙台育英(宮城)と対戦。旧帝大の一般受験を控えるロックの中村宏太郎(3年)が初勝利に導く。3年連続13度目出場の北北海道代表・遠軽は、1回戦(27日)で尾道(広島)と激突する。

 花園初勝利、そして大学合格のダブル“トライ”へ、立命館慶祥・中村が第一関門に挑む。30大会連続出場の仙台育英戦に向け「いつか花園でやりたいと思っていた。最後の年に花園に出られるのが楽しみ」と胸を躍らせた。

 岐阜県出身で、小学4年からラグビーを始めた。中学では柔道部にも所属し、東海大会出場経験を持つ。高校の進学先を選択する際には文武両道に重きを置き、「(22年に初出場した)春の選抜の試合を見て行きたいと思った。勉強もラグビーも本気でやりたかった」。親元を離れ、母の地元である北海道に来ることを決断した。

 入学後は、祖父・徳本博善さん(76)との2人暮らしがスタート。大好物のオムライスなど祖父お手製の3食のご飯で体づくりに励み、体重は70キロから90キロまで増加した。リーグワンの横浜キヤノンで活躍した高島忍監督(33)が「体を張るし、スティールとか勝負どころでいいプレーをしてくれる」と評価するように、昨年レギュラーを奪取。今年9月の南北海道予選会でもロックとして活躍し、決勝では強豪・札幌山の手撃破に貢献した。

 東大、国公立大医学部などの最難関大学を目指す「SPコース」に所属する。成績は部の中でもトップクラスで、入学前の目標通り文武両道を貫いてきた。現在は旧帝大への進学を志望しており、ラグビーの練習と並行して1日3~6時間の勉強にも励んでいる。趣味のNHK大河ドラマ鑑賞を今は控えており、「ラグビーが息抜きにもなっている。空き時間を利用して成績も維持できている」と、うなずく。

 全国大会初戦には岐阜県在住の両親のほか、北海道から祖父も応援に駆けつけてくれる予定だ。「勝って家族に恩返しをしたい。そして、2勝してお正月を花園で過ごしたいですね」。立命館慶祥が誇る秀才ロックが、持ち味の泥くさいプレーで創部以来初の花園白星をもたらす。(島山 知房)