サッカー26年W杯北中米大会の組み合わせが決まった。目標の世界一に向け、日本代表・森保監督はこれまで「W杯までに2~3…

 サッカー26年W杯北中米大会の組み合わせが決まった。目標の世界一に向け、日本代表・森保監督はこれまで「W杯までに2~3チーム分の戦力を」と選手層の厚いチームづくりをテーマに掲げてきた。1次リーグ(L)の開催地が中部地区となり「W杯の時期はめちゃくちゃ暑い。厳しい環境の中、戦わないといけない」と体力を消耗する試合で、メンバーを代えながらの戦いを見据えた。

 「今の日本は、より高いレベルの選手たちを使いながら、タフな戦いを勝ち切ることができる。我々は選手層の厚さを強みに準備したい」と力説。初戦から第2戦まで中5日、第3戦までは中4日あるが、決勝まで8試合戦うことを見据えた場合、ターンオーバーは不可欠となる。主力をある程度温存してでも、確実に勝てるというチーム力が求められる。

 開催地のいずれも、6月の平均気温が30度を超える中、ベースキャンプ地選びも重要な任務だ。日本協会の宮本会長は「暑さもあるし、湿度の高さも一つのキー。(抽選会の)前からある程度、しっかりと暑熱対策ができる場所のイメージをしながら選定はしてきている」と自信を見せた。1次L敗退した14年ブラジル大会は、涼しいキャンプ地から暑い会場への移動と調整段階の失敗も教訓となっており、同会長は「ベースキャンプ地は、できるだけ暑いというか暑熱対策ができるところで。どこに行っても対応できる(ように)」と描いた。

 来年3月23~31日の国際試合期間には欧州遠征で2試合を行うことが決定。FIFAランク4位のイングランド、同24位のオーストリアが相手候補に浮上する。宮本会長は「力のある国とやれる見通しが立ってきている。今回のグループも欧州のチームが多い(2)ので良い対策になる」と事前対策の重要性を強調した。ターンオーバーできる戦力の充実、合宿地での暑熱対策、欧州遠征での強化。これらを完遂し、森保ジャパンは高みを目指す。

 ◆過去の日本代表のW杯キャンプ地

 ▽98年フランス(1次L敗退) スイス・ニヨンで最終メンバーが発表され、三浦知良、北澤豪、市川大祐の3人が落選。その後、フランス・エクスレバンに移動。

 ▽02年日韓(16強) 静岡・葛城北の丸。非公開練習で完全隔離し、選手は自国開催のプレッシャーと無縁の生活を送る。

 ▽06年ドイツ(1次L敗退) ドイツ・ボン。市街地のホテル滞在は1次L敗退の一因となったとの声も。

 ▽10年南ア(16強) 標高の高いスイス・ザースフェーで高地順化を行い、南ア・ジョージではゴルフリゾートを貸し切った。

 ▽14年ブラジル(1次L敗退) ブラジル・イトゥ。試合会場との気温差が大きく暑熱対策に失敗。

 ▽18年ロシア(16強) ロシア・カザン。国内の強豪ルビン・カザンの最新設備を使用。気候面、移動面でもストレスなし。

 ▽22年カタール(16強) ドーハ市内。国内のアルサドが所有する施設を使用。潤沢な資金力を持つ名門クラブだけに過去最高クラスの環境で、長距離移動もなし。

 ◆W杯のターンオーバー

 ▽18年ロシア大会 1次Lポーランド戦 中3日で6人を入れ替え。結果は0―1で敗戦

 ▽22年カタール大会 1次Lコスタリカ戦 中3日で5人を入れ替え。0―1で敗戦