「ボクシング・WBOアジアパシフィック・フェザー級タイトルマッチ」(6日、後楽園ホール) 王者の藤田健児(31)=帝拳…

 「ボクシング・WBOアジアパシフィック・フェザー級タイトルマッチ」(6日、後楽園ホール)

 王者の藤田健児(31)=帝拳=が同級8位ペテ・アポリナル(30)=フィリピン=を3-0の大差判定で破った。4度目の防衛に成功したものの、タフな難敵を倒すことはできず、「思った以上に(相手が打たれ)強くて苦しい試合になってしまった。最後まで(攻略の)糸口を見つけて倒そうと思っていたが、そこは悔いが残る」と、KOを逃したことに反省しきり。持ち味はフットワークだが現在は攻撃力を磨いているといい、「皆さんご存じか分からないですけど、同い年に井上尚弥ってモンスターがいるんですよ。彼のせいで日本ボクシング界にいい影響か、悪い影響か、倒すことが当たり前になった(笑)。その流れに乗って、やっぱり(自分も)倒しにいかないと」と、苦笑いしながら明かした。

 両者が前に出た際、激しく頭同士をぶつけて倒れ込み、試合が中断する場面もあった。「一瞬(意識が)飛んだ」。その後も試合は支配し、左ストレートからのラッシュにいく場面もあったが、ダウンは奪えなかった。世界挑戦へのアピールを期していたものの、「持ち味はフットワークでいなすスタイルだが、課題の攻撃力をまだまだ発揮できない。(次は)世界とハッキリ言えない。認めてもらえるように日々努力していく」と継続を誓い、「玄人向けのうまいボクシングもいいが、自己満足。泥くさくても倒しに行こうという思いが強い」と課題を明確にした。

 また、今夏はアフマダリエフ戦を控えていた4団体統一世界スーパーバンタム級王者の井上尚弥(32)=大橋=のスパーリング相手も務めた。「緊張感があった。僕の方が階級が上なのでプライドがあったが、パワーじゃないところで勝負してきて、技術、IQの高さを見せつけられた。通じるところもあって、レベルアップになった」と糧にしていた。