<明治安田J1:鹿島2-1横浜>◇第38節◇6日◇メルスタ鹿島アントラーズの小泉文明社長が試合後、取材に応じ、フリーマー…

<明治安田J1:鹿島2-1横浜>◇第38節◇6日◇メルスタ

鹿島アントラーズの小泉文明社長が試合後、取材に応じ、フリーマーケットアプリ大手のメルカリが親会社となった以降初となるクラブ9季ぶり9度目のJ1制覇に喜びを口にした。

2019年に旧親会社に代わって経営権を取得。同社社長も務め、短期間で成功へと導いた実績を携えてクラブ経営に乗り出した。

川崎フロンターレ時代、主要タイトル7つを獲得するなど黄金期を築いた鬼木達監督(51)が今季、古巣の指揮官に就任した時、小泉社長は「僕らは本気で取りに行く」と真っすぐに伝えたという。

当初の予算を上回る強化費を投入し、チームをバックアップしてきた。シーズン中もブラジル人ストライカーのFWエウベル、シントトロイデン(ベルギー)DFの小川諒也などを獲得し補強してきた。

「僕らはもうチャレンジし続けるしかないかな、と。今日も3万7千人以上来てくれたけど、どう見てもこの街が小さくて、本当に決して恵まれている環境じゃない。だからこそ、僕らは常に変化して進化してアップデートしていかなきゃいけない」

世界を見渡せば、海外の競技レベルが上がっていく中、現状維持は退化であることを知っている。今後もトップから育成年代を含めたボトムアップをするための投資を重ねていくという。

来季からはJ2優勝を収めた水戸ホーリーホックが昇格し、茨城県内で2つのクラブが争うことになる。小泉社長も「一緒にダービーをやるのもうれしい。地域にフットボール・エンターテインメントがあることは素晴らしいことで、茨城全体が盛り上がってくれればいい」と歓迎する。

ホームタウンを移転せず積極的に地域貢献を行うこと、鹿島の伝統を尊重した経営を順守することなどを条件にクラブ経営者となり、7年目となった。

就任当初は、「鹿島らしさを失ってはいけない」と旧親会社下で長くクラブを支えてきた元選手で前強化責任者の鈴木満氏や現副社長の鈴木秀樹氏からクラブの歴史やジーコ氏が築き上げた哲学を吸収するところから地道に始めたという。

常勝軍団の社長となり、見えた「鹿島らしさ」とは何か-。

小泉社長は真っすぐに応えた。「やっぱり、『全ては勝利のために』というクラブミッション。このミッションに対してストレートに向き合っているのが僕らのクラブの強み」。【泉光太郎】