ソフトバンク海野隆司捕手(28)が6日、福岡市内の球団事務所で契約交渉に臨み、倍額以上となる2900万円増の来季年俸55…
ソフトバンク海野隆司捕手(28)が6日、福岡市内の球団事務所で契約交渉に臨み、倍額以上となる2900万円増の来季年俸5500万円でサインした。今季は正捕手として自己最多を大幅に更新する105試合に出場。リーグ連覇と5年ぶり日本一に貢献し、昨オフFAで巨人移籍した甲斐の穴を埋めた。来季は初のゴールデングラブ賞の受賞を目標に掲げた。今宮健太内野手(34)は1億円ダウンの年俸2億円プラス出来高払いでサインした。
◇ ◇ ◇
スーツに身を包み、会見場に着席した海野の表情が充実のシーズンを物語っていた。
「達成感はありますし、プロに入ってから今年までとは別物なので。1年間、戦い抜いたと実感できた」
プロ6年目。提示されたのは、倍増以上の年俸5500万円だった。迷うことなく、1発でサイン。今季は自己最多の105試合に出場。昨オフに巨人へFA移籍した甲斐に代わる働きぶり。チームのリーグ連覇、5年ぶりの日本一に貢献した。交渉の席で「(球団から)評価をいただいた。評価してもらえるのはありがたいです。言葉を聞いた時は『頑張って良かった』と。今年(のオフ)はいい思いができる」。それでも、余韻には浸ることはない。26年シーズンへあるタイトルに目を向けた。
「何か、かっこいいので。1回でもいいから取ってみたい。自分の中で夢でもあるので」
それは自身初のゴールデングラブ賞だった。シーズンを通し、守備力が優れていた選手が受賞する勲章。獲得に向け「スローイングもそうですし、もうちょっとできることはあるので」。すでにシーズン中の映像はチェックしている。ミットの構え、配球面の振り返りに、技術面の向上に妥協はない。
もちろん、打撃面の課題とも向き合う。打率2割2分、ノーアーチ、21打点。「今年1年やってみて打率を上げるのは、こんなにも難しいのかと感じた。得点圏打率にこだわって、長打も増やしていく」。今オフの自主トレは昨年に続いて今宮に弟子入り。徹底的にバットを振り込み「打てる捕手」を目指すつもりだ。
2年前の23年には当時2軍監督の小久保監督からは「このままだったら終わるぞ」と痛烈な言葉を受けた。そこからはい上がり、今ではホークス正捕手にまで大きく飛躍。「スタメンで出られる試合は出たいし、来年も100試合以上ってところが一番。来年も優勝に貢献したい」。キリッとしたまなざしで、リーグ3連覇へ思いをにじませた。【佐藤究】