日本で2勝目を飾った米国で人気上昇中の新種牡馬に注目が集まっている。12月6日に行われた阪神6R・2歳新馬(ダート12…

 日本で2勝目を飾った米国で人気上昇中の新種牡馬に注目が集まっている。12月6日に行われた阪神6R・2歳新馬(ダート1200メートル=10頭立て)は単勝2番人気のエルル(牝、栗東・小崎憲厩舎、父ヤウポン)が逃げ切りⅤ。10月の東京でデビューⅤを決めたジャレッド(牡、栗東・秋山真一郎厩舎)に続くJRA通算2勝目で、4頭がデビューしたうち2頭が勝ち上がる高いアベレージを見せている。

 好スタートを決めたエルルは行き脚がつくとすんなりハナを奪って先頭へ躍り出た。序盤でタイガーロードが並びかけるように迫ってきたが、折り合ってマイペースで逃走。直線に向いてからは背後から猛追する2頭には並ばせず、1馬身差で勝利を飾った。勝ち時計は1分13秒9(良)。

 米国産の父ヤウポンは現役時代が8戦6勝で引退。デビュー4連勝で迎えたG1初挑戦のBCスプリントでは8着に敗れた。続くドバイ遠征のゴールデンシャヒーンでも8着に敗れたが、帰国してからは2連勝で2021年のフォアゴーSを制覇。ゴール前では叩き合いとなった外のフィレンツェファイアから噛みつかれそうになった行為に遭ったが、ひるむことなく押し切った。これがG1初タイトルとなったものの、その後に骨折が判明したため、引退を余儀なくされた。

 22年から米国のスペンドスリフトファームで種牡馬として供用されたヤウポン。初年度の種付け料は3万ドル(約450万円)で24年は2万5000ドル(約375万円)に下がったが、25年には6万ドル(約900万円)にアップするなど人気は上昇している。エルルは2024年のキーンランド1歳セールで落札額が7万ドル(約1000万円)のお買い得品だった。

 ヤウポンにとって因縁の相手が日本で種牡馬入りしている。2歳世代が初年度産駒のフィレンツェファイアもすでにJRAで勝ち馬を送り出しており、産駒同士の戦いにも注目が集まる。