「フィギュアスケート・GPファイナル」(5日、IGアリーナ) ペアは三浦璃来(23)、木原龍一組(33)=木下グループ…

 「フィギュアスケート・GPファイナル」(5日、IGアリーナ)

 ペアは三浦璃来(23)、木原龍一組(33)=木下グループ=が今季世界最高の合計225・21点で3年ぶり2度目の優勝を果たした。SP首位で迎えたフリーは自己ベストの147・89点で2位。3月の世界選手権に続くタイトルの奪還で、来年2月のミラノ・コルティナ冬季五輪へ弾みをつけた。

 思い入れがある名古屋のキスアンドクライで思わず抱き合った。“りくりゅう”が今季世界最高点をたたき出し、3年ぶり2度目の制覇。三浦は「日本のグランプリファイナルで優勝することができて、本当に心からうれしい」。満面の笑みで演技を締めくくった。

 優勝には自己ベスト更新が必要な状況下で、ミスはありつつも必死にこらえた。3回転ツイストは見事な滑り出し。続く3連続ジャンプは、最後のダブルアクセルで木原が手をつく痛恨のミス。後半のスロージャンプでは三浦の着氷が乱れる場面もあった。しかし、強くなったりくりゅうは動揺しない。木原が「自分らしい演技をしようと話していた」と言うように伸びやかに滑り切った。

 フリーの“ミソ”について三浦は「ひとつのミスが点数に響いてしまう。それでも考えすぎない(こと)」と語る。緊張する場面でも「楽しむ」のが、りくりゅうらしさ。名古屋で出会った2人は、お互いを信じて「私たちらしい演技ができた」とうなずいた。

 持ち味は「スピード感」だという。「元々スケーティングタイプは合うが、それ以上に距離間だったり、どの位置につくかによって変わってくる」と三浦。ただ速さがあるだけではない。練習で微調整と試行錯誤を重ね「ここが一番いいというのを探り、見つけ出している」と、努力のたまものが実を結んでいる。

 次は全日本選手権が控える。優勝なら五輪内定の一戦へ、三浦は「疲れを取る。おいしいものを1日は食べるチートデー」と秘策を語った。ギアチェンジしながら、ミラノの頂点まで道をつなぐ。

 ◇三浦 璃来(みうら・りく)2001年12月17日、兵庫県出身。中京大出。146センチ。カナダを拠点に木原と組んで7季目。22年の北京冬季五輪で団体銀メダル、個人で日本勢初入賞の7位。22~23年シーズンにグランプリ(GP)ファイナルで初優勝。世界選手権は23、25年に制覇。

 ◇木原 龍一(きはら・りゅういち)1992年8月22日、愛知県出身。中京大出。174センチ。11年世界ジュニア選手権男子代表。13年にペアに転向し、14年ソチ、18年平昌両五輪に異なるパートナーと出場。