阪神の大竹耕太郎投手(30)が5日、兵庫県西宮市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、4000万増の1億3000万円で更…
阪神の大竹耕太郎投手(30)が5日、兵庫県西宮市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、4000万増の1億3000万円で更改した。現役ドラフトで移籍した投手では初めての“大台”突破。球団の日本選手では11人目の1億円到達となった。背番号21となる9年目の来季は、初タイトルとなる最多勝を目指す。(年俸は推定)
紆余(うよ)曲折を経てたどり着いた“大台”に、大竹は表情をほころばせた。「これまで高校のOBの人とかとご飯に行ってごちそうになったけど、次は僕がおごる番か、みたいな(笑)」。それでも凜(りん)とした顔つきに変わると、静かに使命感を口にした。
「それだけ責任も伴ってくるというか、チームの中の位置づけも上がっていくので、責任感が金額とともに出てくるのかなと思う」
2017年度育成ドラフト4位でソフトバンクに入団。18年7月に支配下登録を勝ち取ったが、21、22年は0勝。それでも22年オフに現役ドラフトで阪神に移籍し、才能が開花した。
23年は自身初の2桁勝利(12勝)を挙げ、24年も11勝。移籍3年目は春季キャンプ中のケガで開幕から出遅れたが、5月に1軍昇格し、16試合で9勝4敗、防御率2・85でリーグ優勝に貢献した。「一歩一歩、着実に目の前のできることをやっていった結果」と移籍後3年連続の昇給をつかんだ過程を振り返った。
現役ドラフトで移籍した選手では、中日・細川(1億3000万円)に続いて2人目の“大台”突破。「細川くんとか自分とか、環境が変わって結果を残していくことで、(他の選手にも)ポジティブな気持ちで移籍してもらえたら」。今後の活躍で自身が飛躍するきっかけとなった制度に、より良い印象を植え付ける意気込みだ。
また育成出身選手では、球団初の年俸1億円超えとなった。ソフトバンク時代には千賀(メッツ)、甲斐(巨人)らの姿を見ており、「自分の可能性というか、いい意味で勘違いさせてもらった。自分もそういう存在になれれば」と話した。
そのためにも「一番は最多勝」と来季は自身初タイトル獲得を狙う。「勝ちが付くまで投げる上で、一番勝つのは大事」。今季のリーグ最多勝は同僚・村上とDeNA・東の14勝だった。大竹は今季の開幕前に15勝を目標に掲げており、「そこを目指すのが当たり前になっていきたい」と力を込めた。
来季からは師匠の元ソフトバンク・和田と同じ背番号21。「後輩に姿勢で見せていけたら」。責任感を力に変え、勝ち星も年俸も積み上げていく。